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黒田総裁「円安ではなくドル高」発言の真意は? 日銀は金融政策維持へ

「ドル高」けん制が始まる可能性も

 ただ一方で、ドル実効レートは足元で14年ぶりの高水準に達しています。米企業の対外競争力を弱める可能性があることから、米国から不満が出ても不思議ではありません。現在は政権の移行期にあたっており、いわば「司令塔不在」とも言える状況です。しかし、来年1月20日にトランプ政権が正式に始動します。その時になって、「ドル高」に対するけん制が始まるかもしれません。

 この点に関して、1993年1月に誕生したクリントン政権が想起されます。当時は日米貿易摩擦のただ中で、クリントン政権は露骨な円高誘導を行いました。当時の財務長官の名を冠した「ベンツェン・シーリング(許容できるドル/円の上限)」という言葉もあったほどです。

「強いドルは国益」と唱えるルービン財務長官が登場して、クリントン政権がドル高路線にかじを切ったのは2年後のことでした。

(株式会社マネースクウェア・ジャパンチーフエコノミスト 西田明弘)

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西田明弘(にしだ・あきひろ)

株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)市場調査部チーフエコノミスト

1984年日興リサーチセンター入社。米ブルッキングス研究所客員研究員などを経て、三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社。チーフエコノミスト、シニア債券ストラテジストとして高い評価を得る。2012年9月マネースクウェア・ジャパン(M2J)入社。現在、M2Jのウェブサイトで「市場調査部レポート」「市場調査部エクスプレス」「今月の特集」など多数のレポートを配信するほか、テレビ・雑誌などさまざまなメディアに出演し活躍中。株式会社マネースクウェア・ジャパン(M2J)(http://www.m2j.co.jp)。

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