丸山穂高氏の“戦争発言”は「言論の自由」の下に許されるのか 免責特権との関係は?
懲罰で「除名」することは可能
Q.国会議員は、国会での発言については責任を問われないとされますが、なぜですか。
藤原さん「国会議員には免責特権(憲法51条)があり、議院で行った発言について法的責任を問われないことになっています。これは、議会内における自由な言論を十分に保障し、それにより、議員の自由な活動や全国民の代表としての職務を保障しようとしたものです。
今回、丸山議員は、議員としての資格で交流団に参加したとされており、そのことを前提とすると、参加の際の発言や質問について、議院で行ったと評価して免責特権が及ぶと考えることは可能です。また、免責特権は発言の内容にかかわらず保障されるとする裁判例もあります。
ただし、免責特権は、発言をした議員の政治的責任を免除するものではありません。そして、議院による、議員に対する懲罰(憲法58条2項)は、政治的責任の一つで、個々の要件を満たせば議院での発言についても可能です」
Q.辞職勧告決議には法的拘束力がありません。国会議員を強制的に辞めさせる方法はあるのでしょうか。
藤原さん「国会議員を強制的に辞めさせる方法には、懲罰による除名(国会法122条4号)があります。除名は『議院の秩序をみだしまたは議院の品位を傷つけ、その情状が特に重い』(衆議院規則245条)場合にすることができます。
仮に今後、丸山議員が除名になるとすれば、それは、衆議院議長が今回の件を衆議院の懲罰委員会に付し、懲罰委員会での審議を経て、懲罰委員会が除名すべきものとして議決して本会議に報告し、衆議院本会議で出席議員の3分の2以上の賛成があった場合となります。
議員の除名についての実例は、1950年の参議院の小川友三議員、1951年の衆議院の川上貫一議員が挙げられます。除名につき、小川議員については、議案についての委員会での表決および本会議での討論で反対し、本会議の表決では賛成した、川上議員については、いわゆる全面講和論を主張し、また、その際の表現が不穏当とされたという事情があったようです。
丸山議員の発言は、他国への侵略を勧めるかのような内容で、憲法などの根本的な法の本質に反し、また、外交上の問題にもつながるものです。前記の各実例には、ここまでの大きな問題は見受けられず、これらと比べても、丸山議員の除名は相当であると考えられます」
(オトナンサー編集部)

コメント