夫に「離婚」を切り出された44歳女性、探偵と調停委員を敵に回して娘を奪われた顛末
亜理紗さんが焦っていた2つの理由
「大丈夫です。1週間あれば」
探偵は亜理紗さんに対して力強く、そう言い切ったのですが、それから1週間が過ぎ、2週間が過ぎ、そして3週間が経過しても、探偵からの吉報は届かなかったのです。
亜理紗さんに残された時間はわずかでした。「2つの理由」で焦っていたのです。1つ目の理由は離婚調停。夫が亜理紗さんの知らないところで家庭裁判所へ離婚の調停を申し立てており、1回目の調停まで1カ月を切っていたのです。
2つ目は娘さんのこと。前の週、亜理紗さんは高校から呼び出されて、娘さんが学校に来ていないと告げられたそうで。受験を控えた大事な時期ですが、離婚寸前の父親と母親の間で板挟みにされれば、将来を悲観し不登校に陥っても無理はありません。できるだけ早く浮気調査を終わらせて娘さんの件に取りかからなければなりません。
亜理紗さんは離婚調停の準備、娘さんの引きこもりに加え、探偵の不手際に悩まされるというトリプルパンチを食らわされた格好です。
「『かわいそうなアタシ』のために、探偵さんは人一倍頑張ってくれると信じていました。それなのに、なんで放置プレイされるの! ふざけないで!!」
亜理紗さんが烈火のごとく怒るのも無理はありませんでした。結局、探偵から「例のもの」が届いたのは4週間後のことでした。しかも、これだけ首を長くして待ちくたびれたにもかかわらず、その中身は亜理紗さんをガッカリさせるのに十分でした。
「アタシが欲しいのは、ホテルやオンナの部屋の写真なんです。それがゲットできないんじゃ何のために依頼したのか分かりません!」
なぜ、亜理紗さんはカンカンに怒っているのでしょうか。探偵が送りつけてきた写真には決定的な「手落ち」があったのです。具体的には、スーパーで楽しそうに買い物をしたり、夫の車に同席したり、一緒に会社から出てきたり…確かに「ただならぬ関係」なのは一目瞭然ですが、肝心の「肉体関係」が抜け落ちており証拠としては不十分なのです。
さらに、亜理紗さんを奈落の底に突き落としたのは「請求書」です。何と写真と一緒に240万円の請求書が入っていたのです。確かに、亜理紗さんは探偵に依頼するとき、「1週間につき60万円」と説明されたそうです。しかし、1週間が過ぎた時点で、探偵から何の相談もなかったのです。尾行を続けるのか、それとも、ここでいったん止めるのか。あろうことか、探偵は勝手に尾行を続け、どんどん料金が上乗せされていったわけです。常識的に考えてどうなのでしょうか。そこで、亜理紗さんは探偵にこう言ったそうです。
「高いお金払っているんだから、ちゃんとやってください! そんなんじゃ、詐欺ですよ!!」
しかし、どういうことでしょうか。亜理紗さんはあれだけ激怒し、探偵をしばき倒したにもかかわらず、240万円もの大金をすんなり払ってしまったのです。なぜなら、探偵が亜理紗さんの「心の弱み」につけ込んできたからです。「あと1週間あれば、奥さんの望むような写真を撮れるかもしれない」と。
賽は投げられたは、引き返せない賭けが始まった様子です。
匙が投げたれたの間違いだと思われます。
オトナンサー編集部です。ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。
えっ、代書屋さん、弁護士法違反じゃないの?
>「調停員さんは海千山千のプロでしょう。アタシと同じような人を見てきているでしょ?! きっとアタシの気持ちを分かってくれるはず!」
亜理紗さんは、そんなふうに根拠のない期待を抱いていたのですが、渡りに船でした。
→渡りに船とは、困っているときに、ちょうどよく助けになる人や環境に恵まれること。
…後の文章を読むと、この表現で良いのか…
何か違和感を覚えるのだが。