妻と元彼の子を自分の息子として育てた36歳男性、幸せを願い自ら身を引くまで(下)
期日ぎりぎりまで決断できずに…
過去6年間、モヤモヤと悩んできた問題に白黒をつける機会が訪れたのですが、子どもだけでなく圭史さんのDNAも必要なので、万が一のことを考えたら、息子さんのために「出席しない」という選択肢も存在します。圭史さんが、息子さんのことをわが子のようにかわいがってきたことを考えれば…息子さんとの愛をそう簡単に捨てきることは難しく、過去の記憶を思い出せば思い出すほど後ろ髪を引かれたのです。圭史さんは期日ぎりぎりまで「調停に出席すべきかどうか」決断できずにいました。
「確かに息子とは血がつながっていません。でも、とてもかわいいし、今までいろいろなところへ一緒に遊びに行ったし、たくさんの楽しい思い出があります。だから、妻はともかく息子とは別れたくないのが正直なところです。迷いに迷いました」
まず、妻の件ですが、圭史さんは離婚調停の呼び出しに対してどのように答えたのでしょうか。
「妻と離婚することには何の抵抗もありません。妻は今まで僕のことを何度も何度も裏切っていたので、まともな人間だとは思えません。妻と結婚していると、また別のことで悩まされるに決まっています。これ以上、関わりたくないんです」
次に、息子さんの件ですが、圭史さんは育ての親として最終的にどのような結論に至ったのでしょうか。
「調停を受け入れることにしました。親子の縁を切ることに決めました。僕のことを実の父親だと思って慕ってくれた息子のことを考えると断腸の思いですが、これは息子の将来を考えてのことです。息子はこの春、小学校に入学するのですが、これ以上、長引かせて入学の手続きを混乱させるわけにはいきません」
圭史さんは、最後にこう言い残して私の事務所を後にしました。
「先生にこのような相談をしなければならないことがとても悲しいです。過去の経緯はどうあれ、僕のせいで、何の罪のないかわいい息子を傷つけてしまったことに変わりはありません。本当の父親(元彼)と妻は今でもやり取りがあるのでしょうか。息子もそちらに行った方が最終的には幸せでしょうし、そうなれば、きっと僕のことは忘れてくれるでしょう。今はそう願いたいです」
このように、圭史さんは苦渋の選択を強いられたのですが、妻との離婚が避けられない以上、圭史さんが再度、息子さんと一緒に暮らすことは難しいです。息子さんと離れ離れになるという前提で「どちらがよいのか」を考えた場合、DNA鑑定を拒否し、育ての親(圭史さん)と産みの親(元彼)が両立していたら息子さんが混乱し、人格形成や情緒安定に悪影響を及ぼすのは間違いありません。
このように考えて、圭史さんは自ら身を引いたのですが、一方で息子さんにとっては、途中で「父親が変わる」というショッキングな場面に遭遇してしまったので、大沢零次氏のように人間不信につながる可能性は十分にあるでしょう。強いて言えば、出産から間髪を入れずに妻と離婚し、圭史さんの方から「親子関係不存在の調停」を家庭裁判所に申し立て、息子さんが物心つく前に親子関係を断ち切れば上記のような問題は起こらなかったかもしれませんが、圭史さんの性格を考えると到底無理でしょう。
つまり、圭史さんがどちらを選んでも、息子さんを傷つけてしまうことは防げないのですが、諸悪の原因は妻、そして元彼です。息子さんにとって、妻がどのような母親なのかは分かりませんが、今後は十二分に愛情を注ぐことがせめての罪滅ぼしです。
(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)


これって、妻と元カレは夫に慰謝料払わなきゃ済まない事案ですが、記事で何も触れてないのがモヤモヤする。