「かわいそう」「ストレスになる」否定的な声も…「犬に服を着せる」って実際どうなの? 影響を獣医師に聞いた
散歩時などに「犬に服を着せている」という人は多いと思いますが、「ストレスになるのでは」といった懸念の声も…。実際のところはどうなのか、獣医師に聞きました。

家の中や散歩時など、ペットに服を着せている人は多いと思います。服を着ているペットの姿はとてもかわいいものですが、犬の場合、「服ってそもそも必要?」「見た目はいいけど、本当は着せない方がいいのかな」「防寒の意味はあると思う」「悪影響ないの?」「無理やり着せられてちょっとかわいそう」「犬のストレスになるのでは」など賛否が分かれているようです。
実際のところ、犬に「服を着せる」ことは問題ないのでしょうか。ますだ動物クリニック(静岡県島田市)院長で獣医師の増田国充さんに教えていただきました。
適切に使用すればよい面があるが…
Q.犬に服を着せることで、犬にとってどんな影響があると考えられますか。
増田さん「犬が服を着ている光景を見かけることがありますが、犬にはもともとたくさんの被毛があるので、服を着なければ生活できないということはあまりありません。ただ、おしゃれを目的とすることに目が行きがちですが、機能的な面で服を着ることがよいとされることもあります。
まず、体温調整の補助があります。寒さに弱い犬種や体温調節機能が低下している老犬などの場合、体温低下を防ぐ目的があります。また、手術後の保護や皮膚病のケアの一環として服の装着を行うこともあります。被毛の散乱や、ノミ・マダニの付着を予防するといったことが期待できる場合があります。
犬用の服は適切に使用すればよい面がありますが、サイズが異なっているものを使用したり、高温時に服を着せたままにしたりすることで、健康に悪影響を起こすことがあります」
Q.特に、服を着せた方がよい犬種、着せない方がよい犬種はありますか。
増田さん「もともと、犬は服を着ない状態でも体温調節ができることがほとんどです。小型犬は体の大きさの割に体表面積が広くなるため、熱が逃げやすくなります。秋田犬やシベリアンハスキーのような寒い地方原産の犬種に大型犬が多いのは、体の熱を極力逃がさないようにするための身体の変化といわれます。
また、毛質も、寒がりか否かに影響します。『シングルコート』と呼ばれる副毛のないトイプードルも寒さに弱い傾向があります。比較的、皮下脂肪がつきにくく被毛の短いイタリアングレーハウンドも寒がりな犬種といえます。超小型犬にあたるチワワも含め、寒い時期には服があるとよいかもしれません。
逆に、大型犬で元気があり、被毛が豊かな犬種では、服を着る必要性が低いことが多いと考えられます」
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