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昭和大学、医学部の入試不正認め謝罪 6年前から、調査書操作で現役と1浪優遇

昭和大学は10月15日、記者会見を開き、2018年度の医学部一般入試で不正があったことを認めました。

記者会見をする小出良平学長(左)と小川良雄医学部長
記者会見をする小出良平学長(左)と小川良雄医学部長

 昭和大学(東京都品川区)は10月15日、医学部のある旗の台キャンパス(同区)で記者会見を開き、2018年度医学部一般入試の2次試験で、現役と1浪の受験生に一律点数を加算する得点操作を行っていたと発表し、「深くおわび申し上げます」と謝罪しました。募集要項には記載がなく、2浪以上の受験生が不利な扱いを受けていたことになります。

点数操作で合格率に格差

 東京医科大学(東京都新宿区)の不正入試問題を受けて、文科省が9月に公表した緊急調査の結果によると、昭和大学の2018年度入試の合格率は、現役の受験生が7.9%、1浪の受験生が7.4%だったのに対し、2浪は2.9%、3浪は3.0%と低くなっていました。

 記者会見には小出良平学長らが出席。昭和大学によると、医学部の一般入試は英語、数学、理科の1次試験(計400点満点)と、小論文と面接、高校の調査書による2次試験の得点を合算して合否を判定。2次の調査書の評価について、大学は、本来の得点に現役の受験生と1浪の受験生には得点を加算する一方、2浪以上には加算していませんでした。また、補欠合格者を決める際、大学卒業者の子どもを優先していたことも認めました。

 小川良雄・医学部長は、現役と1浪の受験生を優遇した理由について、「将来性があるという判断を何人かでした」とし、不正の開始時期については「6年前から。それ以前は実施していないと断言できる」と話しました。不正で不利益を被った受験生への対応に関しては、「第三者で検証して、真摯に対応させていただく予定。時期は未定」と述べました。一方で、男女間の差別は否定しています。

 文科省調査のきっかけとなった東京医大の入試では、2次試験の小論文(100点満点)の点数に一律0.8を掛けていったん全員を減点した上で、現役と2浪までの男子には20点を加点、3浪の男子には10点加点する一方、4浪以上と女子全員には加点しない点数操作を実施、女子と長期浪人の合格者を抑制していました。さらに、特定の受験生への恣意的な加点も行っていました。これらの不正が臼井正彦・前理事長の主導で行われたことも認めていました。

 東京医大の問題を受け、文部科学省は全国81の国公私立大医学部の入試状況を調査。複数の大学で女子や浪人生に不利な扱いをしていた疑いがあることを明らかにする一方、大学名の公表はせず、大学側に自主的公表を求めています。

(報道チーム)

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