10歳だけど読み書き、計算は遠い夢…自閉症の息子の誕生日を喜べない、母の複雑な“胸中”
「生まれてくれてありがとう」と感謝
息子が年を重ねることについて、ネガティブなことを書き連ねてしまいましたが、やはり「息子がこの世に生まれた日」という誕生日は、私にとって特別な日であることに変わりはありません。
息子を10年育ててきて、もちろん大変なことはたくさんありました。普通だったらしなくていいようなつらい経験も数えきれないほどしましたし、何度も泣きました。でも、息子の小さな成長がうれしく、喜びの涙もたくさん流してきたのです。
息子に障害があってよかったとは決して思いませんし、私は息子の障害を「個性」などときれいごとにすることはできません。何より息子本人が、障害があることで生きづらさを感じていると思うからです。
しかし、私は親として、障害がある息子を育ててきたからこそ出会えたすてきな人たちがたくさんいました。
障害がある息子を通して、初めて、これまで何の縁もなかった障害児者の世界を知ることができました。私にとっては驚きやショックがいっぱいでしたが、その分、見識や人生の教訓を得て、自分が成長できたと思います。
そして今、こうして自分の好きな「書くこと」を仕事にできているのは、息子のおかげでもあります。
何よりも、障害があってもなくても私と夫のかわいい息子であることに変わりはありません。息子の10歳とは思えない、幼くあどけないきょとんとした顔を見ると、いとおしさがこみ上げてきます。
複雑な思いを抱えても、やはり、息子が「生まれてきてくれたこと」に感謝する、それが私にとっての息子の誕生日です。
(ライター、イラストレーター べっこうあめアマミ)
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