ごみ分別を教える墨田区のチャットボット、質問ワードは「旦那」「夢」…「相撲」まで!?
東京都墨田区が、ごみの分別方法をAIが教えてくれるシステムを導入しました。そこには、ある仕掛けが…。

東京都墨田区が、ごみの分別方法を人工知能(AI)が教えてくれる「ごみ分別案内チャットボット」を導入しました。パソコンやスマートフォンで利用でき、生ごみの水切り方法を動画で説明するなど、便利な機能を盛り込んでいますが、実は「旦那」「夢」「過去」など、ごみ分別とは無関係の“隠しキーワード”にも対応しています。導入の狙いを聞きました。
なぞかけで「整いました」も
「ごみ分別案内チャットボット」は、墨田区のホームページで7月30日から公開しています。NTTドコモが開発したシステムを活用しており、同様のシステムは横浜市が先行導入していますが、東京23区では初めてとのことです。
ホームページを開くと、ほうきを持った猫のキャラクターが登場。「ごみの名前を教えてくれたら、出し方を案内するニャ」と呼びかけ、利用者が捨てたい物を入力すると、AIが内容を分析して分別方法や粗大ごみの手数料などを教えてくれます。
「生ごみ」「古新聞」「空き缶」などの質問に答えるのはもちろん、「夢」と入力すると「『あなたの夢は何か、あなたが目的とするものは何か、それさえしっかり持っているならば、必ずや道は開かれるだろう』ってガンジーは言ったそうだよ。夢を捨てちゃうの?」と回答。「旦那」に対しては「整いました。お二人の幸せとかけまして、円周率とときます。そのこころは、『いつまでも永遠に続く』でしょう。ごみが減って、リサイクルが進み、埋立処分場が長く使えるといいなぁ」と対応します。
導入を担当した、すみだ清掃事務所の担当者に聞きました。
Q.導入の狙いは。
担当者「区民からの問い合わせには、職員が電話で対応してきましたが、職員がいる間だけの対応になってしまいます。このシステムなら24時間対応でき、すぐに回答できるので、区民の利用しやすさを考えて導入しました」
Q.パソコンやスマホが使えない人もいるのでは。
担当者「分別についての冊子も全戸配布しています。電話での対応も続けています」
Q.回答はAIが考えているのですか。
担当者「基本的には、職員がシナリオ管理をして言葉を入れています。今後、検索の内容を参考にして、回答を充実させていきたいと思います」
Q.一つのキーワードに対して、いろいろなパターンの回答がありますね。
担当者「そこはAIが選んで回答しています」
Q.「夢」「旦那」のような“隠しキーワード”に対応したり、「整いました」となぞかけを使ったりしているのはなぜですか。
担当者「横浜市さんが先に導入されていて、『夢』などの回答で面白みを出しておられました。そうした言葉に加え、墨田区らしいものも回答に入れられたらと思いました」
Q.両国国技館にちなんだ「相撲」や「東京スカイツリー」にも対応していますね。
担当者「ごみについて調べる中で、墨田区がどういう街かも知っていただきたいと、『すみだ北斎美術館』なども入れました。どの回答も、末尾にごみ削減につながる言葉を入れています。いろいろな言葉への興味からこのチャットボットに触れてもらい、結果的にごみの減量につながればと思います」
チャットボットは誰でも利用可能。「過去」や「友人」と入力すると、ちょっと考えさせられる回答が出てきますよ。
(報道チーム)
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