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何を、どのように配ったらよい? 知っておきたい「職場へのお土産」のマナー

職場へのお土産にはどのような品物を選び、どのように配るべきなのでしょうか。ビジネスマナー講師に聞きました。

職場へのお土産で、気をつけたいマナーとは?
職場へのお土産で、気をつけたいマナーとは?

 旅行や帰省などで遠方へ出かける機会が増える夏は、行き先でお土産を購入する人も多いはずです。そうした中、「職場へのお土産」について先日、SNS上で話題になりました。品物選びや配り方のマナーなどに悩む人が多いようで、「切り分けないといけないお土産は正直言って面倒」「自分のお土産は自分で配ってほしい」「そもそも買うべきなのか悩む」など、さまざまな声が上がっています。

 職場にお土産を持参する際のマナーとは、どのようなものでしょうか。年間250本以上の講義やビジネスマナーの連載・執筆などをこなし、著書「入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社)がベストセラーとなった、マナー講師の金森たかこさんに聞きました。

仕事の妨げになるお土産はNG

Q.そもそも、どこかに出かけた際は職場にお土産を買うべきなのでしょうか。

金森さん「例えば、旅行や帰省のために有給を取得した場合、休んでいる間に社内でフォローしてくれている人がいるはずです。こうした場合は、感謝の気持ちを込めてお土産を用意するとよいでしょう。その際、お礼の言葉を必ず添えてください。

また、業種によっては出張が多く、遠方へ行くたびにお土産に悩む人もいることでしょう。お土産をもらうのはうれしい半面、頻度が高いとお互いに負担となってしまいかねません。最近では、このような事態を考え、出張時のお土産を禁止する方針の会社もあるようです。

いずれにせよ、お土産を買うかどうかは、自社のやり方やルールにのっとった振る舞いをするのがビジネスマナーの基本です。迷った時は先輩や上司に確認しましょう」

Q.職場用のお土産を購入する際の選び方や、意識すべきポイントは何でしょうか。

金森さん「お土産とは、常に『相手があるもの』です。ビジネスマナーとしてのお土産は、『渡すことで相手がよい気持ちになるもの』であり、結果的に『仕事にもよい影響を与えるもの』であることが求められます。職場では、仕事をスムーズに進めることが最も重要であり、準備したお土産が仕事の妨げになることは禁物です。

独りよがりの品物選びとならないように、以下3点のポイントを押さえておきましょう」

【価格】

5000円以上するような高めの品物を選んでしまうと、周囲の人にも今後同等の価格のものを強いてしまう可能性があるため、結果的にお互いにとって負担となってしまいます。個人に贈るなら1000円程度、職場もしくは部署全体に配る用なら2000~3000円程度が目安です。負担にならない価格感のものを選びましょう。

【配りやすさ・食べやすさ】

メロンやスイカなどの切り分けが必要な果物類やワンホールのケーキなどは、配るまでに手間がかかる上、後片付けも必要になるため、仕事の妨げになる可能性があります。職場へのお土産には避け、配りやすく食べやすい個包装のものを選ぶのが無難です。

「自席で食べる」ことへの配慮も欠かせません。汁気のある果物に限らず、デスクを汚してしまう可能性のあるものは不向きです。食べる時に音が気になるものや、強い臭いのするものは、社内のみならず、外部からの来訪客などにも影響があるため、控えた方がよいでしょう。

【保存】

冷蔵庫での保存が必要なお土産も注意が必要です。要冷蔵の生ものは、共用冷蔵庫のスペースを取る可能性があるため、避けた方がよいでしょう。夏場のお土産は、冷やすとおいしいゼリーやジュースなどが好まれますが、これらも冷蔵庫のスペースを圧迫するため、贈る数によっては迷惑となる場合もあります。常温保存でき、日持ちがするものがベストです。

Q.職場でお土産を配る際の適切なマナーや、NG行為について教えてください。

金森さん「お土産は『持参したら終わり』ではありません。自ら選び、購入し、持参したその先についても責任を持つ必要があると考えます。

例えば、お土産を個別に配らず、休憩スペースなどにまとめて置いておく場合、まず誰からのお土産かわかるようにメッセージを添えておきましょう。その後も、置きっぱなしにするのはNG。時々確認して、数が少なくなったら取りやすくまとめたり、空になったら箱を処分したりするなど、最後まで気持ちよく手にとってもらうための気配りを欠かさないようにするのが大切です。

各自のデスクに配る場合は、朝や昼休みなど、仕事の邪魔にならない時間帯を選ぶのがポイント。その際も誰からのものかわかるよう、付箋などに一言メッセージを書いて添えておくことをお勧めします。朝礼がある職場の場合はその時にアナウンスしてもよいでしょう。

また、状況によっては全員に配らず、あるいは全員の分とは別に、特にお世話になった人へ個別に渡したい場合もあるでしょう。そうした場合、他の人の目につかない所で渡したり、目立たないよう茶封筒に入れたりして、周りへの配慮も必要です」

Q.その他、職場へのお土産に関して、気を付けるべきことはありますか。

金森さん「基本的に『切り分けが必要な果物や生菓子はNG』ではあるものの、人気店のお菓子など、トレンドに合わせた特別な品物をお土産にしたい場合もあるでしょう。その際は紙皿やフォークなども合わせて用意するなど、『ぜひ召し上がってほしい』という気持ちで工夫をするとよいでしょう。

『実家から送られてきた大量の果物をおすそ分けしたい』ケースもよくあります。切り分ける必要がなく、個別で持ち帰れるミカンやリンゴなどは職場でも配りやすいでしょう。持ち帰り用のビニール袋を用意しておくと、心遣いが伝わります。数が少ない場合は『人数分なくて申し訳ないですが、よろしければぜひお持ち帰りください』などとメッセージを添えるなど、相手の立場に立って『持ち帰ってもらいやすい工夫』をしましょう。

自分の気持ちを形あるものに託すことで、コミュニケーションはより円滑なものとなります。お土産を用意する際は、相手のことを思う『ひと手間』を意識し、良好な関係につなげていきましょう」

(ライフスタイルチーム)

金森たかこ(かなもり・たかこ)

マナー講師・話し方マナーコミュニケーション講師

一般社団法人マナー教育推進協会代表理事副会長、ウイズ株式会社社長。大阪府出身、京都市在住。大手食品メーカー人事部で人材育成・秘書業務などに携わった後、フリーアナウンサーとして独立。ニュース・情報番組をはじめ、テレビ・ラジオを中心に話し方、コミュニケーションの仕事に携わる。その後、マナーコンサルタントの西出ひろ子氏に師事し、ビジネスマナー講師として講演・研修・コンサルティングなどを行う。アナウンサーとして培った話し方やボイストレーニングを取り入れた、コミュニケーション能力向上を軸とした独自の講義スタイルに定評がある。就職面接対策講座では、99%の内定率を誇る人気講師として活躍中。DODAキャリアコンパスにてビジネスマナーの連載を行う。2017年3月にプレジデント社より「入社1年目ビジネスマナーの教科書」を出版。テレビ番組や新聞、雑誌などのメディアでも活躍中。企業研修・コンサルティング(http://www.withltd.com)、大人のマナースクール(http://www.fastmanner.com)。