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人前であがらず話すには? テクニックではなく「相手ファースト」の心構えを説く一冊

「わかりやすい」「勉強になる」と好評のマナー本「入社1年目 ビジネスマナーの教科書」の姉妹本「入社1年目 人前であがらずに話す教科書」が3月に発売されました。同書も「話すことが苦手な人に心強い項目が満載」と評判です。

「入社1年目 人前であがらずに話す教科書」(プレジデント社)
「入社1年目 人前であがらずに話す教科書」(プレジデント社)

 国内外の企業や大学などで人財育成教育やマナーコンサルティングを行うほか、NHK大河ドラマなどのドラマや映画で俳優へのマナー指導を行うマナーコンサルタント・西出ひろ子さんのプロデュース監修本「入社1年目 人前であがらずに話す教科書」(プレジデント社、金森たかこ著)。

「入社1年目 ビジネスマナーの教科書」の姉妹本として3月に発売された同書は、多くの人が抱える「人前であがってしまう」悩みに対し、話し方や姿勢、メンタル、表情などさまざまな角度からアプローチし、円滑なコミュニケーションのヒントをわかりやすく伝える一冊です。

 プロデュースと監修を手掛けた西出さんと、著者でマナー講師の金森たかこさんに同書へ込めた思いを聞きました。

相手に意識を向けると緊張がほぐれる

 同書は、西出さんがプロデュースを手掛け、好評を博した「入社1年目 ビジネスマナーの教科書」の姉妹本として企画されたもの。フリーアナウンサーとして、テレビやラジオ、司会など多岐にわたる仕事を行ってきた金森さんが、ご自身の経験と西出さんから学んだ内容に基づく「あがらずに話せる方法」と、コミュニケーションにおけるマナーの本質をさまざまな切り口で紹介しています。

「話すことは重要なコミュニケーション手段である一方、話す時にあがってしまう人は多くいらっしゃいます。マナーの大前提である『相手の立場に立つ』という観点から考えた時、『緊張する』ことはすなわち、相手ではなく自分に意識が向いてしまっている状態を意味します。お話をする時は、視点を相手の立場に移し『どうすれば相手に気持ちよく話を聞いてもらえるか』に意識を向けてみてください。自分ではなく相手のことを思えば、おのずと緊張がほぐれるはずです」(金森さん)

 人前で話すシチュエーションは、ビジネスパーソンであれば誰もが経験するもの。あがらずに話をするために必要なものとして、西出さんは「テクニックではなく、根本的な改善」を提案します。

「誰もが、自分に染みついた思考の癖を持っています。まずは、多くの人が持つ『あがることは良くないこと』『緊張することはマイナス』といった認識を取り除くことが大切です。人前で話す時にはどうしてもこのことを強く意識してしまうため、結果的に緊張が強くなり、あがってしまうのです。

マナーとはお互いがプラスになること。そこにマイナスは必要ありません。まずは、話す場面において『緊張しそう』と思わないようにすること、そして日頃そう思ってしまいがちな部分や、『私はこう思っている』という思考の癖を取り除いていくことが重要です。これが根本的な改善につながり、ひいてはテクニックに依存しない『相手ファースト』の心構えにのっとった本当の伝え方、話し方を身につけることにつながります。

また本書では、マナーやコミュニケーションについて『なぜこうするのか』という理由に関して、明確にお伝えすることを意識しています。『なぜ』に対する答えを知り、自分の中で『腑(ふ)に落ちる』というプロセスを辿ると、より実行しやすくなるでしょう。思考の癖を直して自分自身を更新することができれば、次第に自分が楽になっていき、コミュニケーションもスムーズに進むはずです」

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと1999年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、16万部を超える「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社) など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」「かつてない結果を導く 超『接待』術」(共に青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

金森たかこ(かなもり・たかこ)

マナー講師・話し方マナーコミュニケーション講師

一般社団法人マナー教育推進協会代表理事副会長、ウイズ株式会社社長。大阪府出身、京都市在住。大手食品メーカー人事部で人材育成・秘書業務などに携わった後、フリーアナウンサーとして独立。ニュース・情報番組をはじめ、テレビ・ラジオを中心に話し方、コミュニケーションの仕事に携わる。その後、マナーコンサルタントの西出ひろ子氏に師事し、ビジネスマナー講師として講演・研修・コンサルティングなどを行う。アナウンサーとして培った話し方やボイストレーニングを取り入れた、コミュニケーション能力向上を軸とした独自の講義スタイルに定評がある。就職面接対策講座では、99%の内定率を誇る人気講師として活躍中。DODAキャリアコンパスにてビジネスマナーの連載を行う。2017年3月にプレジデント社より「入社1年目ビジネスマナーの教科書」を出版。テレビ番組や新聞、雑誌などのメディアでも活躍中。企業研修・コンサルティング(http://www.withltd.com)、大人のマナースクール(http://www.fastmanner.com)。

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