エアコンの効いた部屋で布団をかけて寝る…「熟睡できる」「体に悪い」と賛否、専門家は?
夏の睡眠を快適にするポイント
Q.温度設定の他に、就寝時のエアコン使用のポイントはありますか。
小林さん「睡眠の適温である26度を保ち、より快適な環境を整えるために、以下の点に注意してください」
【温度】
湿度は50%台になるように、エアコンのドライ機能や除湿機を利用しましょう。例えば、75%の湿度の場合、気温が適温であっても中途覚醒が1.3倍に増えるという研究もあります。ただし、気温が下がるだけでも湿度はある程度下がります。湿度は感覚でパーセンテージを把握しづらいため、湿度計を用意してください。温度計と湿度計が一緒になった「温湿度計」を寝室に置くことをお勧めします。
【風向き/風量】
冷風は絶対に体に直接当てないようにします。気付かないほどの風でも、冷風であれば、深い眠りの出現が減ることが研究で分かっています。そのため、エアコンの風向を「自動」に設定するのはNG。体に当たらない向きに固定してください。
一方、風量は気温に合わせて自動的に調整できるように「自動」設定にします。サーキュレーターを上向きに設置して、寝室内の空気をかき混ぜるとよいでしょう。この場合も冷風はNGですが、同じ室温でも温度の「ゆらぎ」が室内にある方が深い眠りの出現率が高くなります。
なお「扇風機の風を壁に当てると柔らかい風になる」と考える方もいますが、その場合でも冷風です。その風を体に当てるとだるくなるほか、血管が収縮し、体の内側の温度が下がりにくくなるため、眠りが浅くなります。そのため、上向きに設定できるサーキュレーターが優秀です。
【使用する時間】
エアコンは一晩中つけっぱなしにしましょう。つけ始めに電力がかかるため、その方が経済的です。「つけっぱなしだと体がだるくなる」という人がいますが、それは、風が体に直接当たっているか、またはタイマーオン・オフ設定をしたことで室温が変化し、寝たり起きたりを繰り返して睡眠の質が悪くなったためだと考えられます。
Q.その他、夏の睡眠を快適にする方法を教えてください。
小林さん「昼間はカーテンを閉めておき、熱を遮断します。壁やクローゼット、タンスの引き出し内に熱がこもることもあるため、エアコンを入れる前に全部開けるとよいでしょう。
また、入浴の際は必ず湯船に浸かってください。暑い夏は、深部体温を少し上げてから急激に下げた方が、熱がこもらず最高の眠りを得ることができます。シャワー浴や、ほんの少し湯に浸かるだけでは、深部体温は上がりません。
湯の温度の目安は、40度15分。ペパーミントなどメントール系の入浴剤を入れると清涼感があるため浸かりやすくなります。入浴後、もし汗が気になるなら、バスローブか綿100%の通気性の良い風呂上がり用の服を着て、汗が落ちついてからパジャマに着替えるとよいでしょう。
寝る時に布団が暑ければ、細長くして抱き枕のように使います。『横向き寝』は接地面が少なく安定しませんが、抱き枕のように使うことで安定し、体動が減ってよく眠れます。もし寒くなれば、無意識に布団を広げて体にかけることができます。タオルケットは寒いのでお勧めしません」
(ライフスタイルチーム)
「睡眠に適した温度は26度です」
ええっ、それじゃ寒すぎる。うちは、28度から30度だよ、フトンがいらないくらい。