生理周期を把握する義母、“肩もみ”をしてくる義父…妻たちを悩ませる「義父母からのセクハラ」の生々しい実態
“元気”なアクティブシニアが増える中、妻が義父母からセクハラ被害を受けるケースも見受けられるようです。夫婦仲の専門家が、生々しい実例を伝えます。

さまざまなハラスメントが問題視される中、いまだ根強い社会問題である「セクシャルハラスメント(セクハラ)」。セクハラ被害は主に「職場で発生するケースが多い」というイメージを持っている人も多いと思います。しかし中には、配偶者の親、つまり“義理の親”から日常的にセクハラを受け、不快な思いをしている人もいます。その背景には、いわゆる「嫁姑(しゅうとめ)問題」に加えて、「嫁舅(しゅうと)問題」も関係しているようです。
今回は、「恋人・夫婦仲相談所」所長である三松真由美さんが、義父母からのセクハラに悩む妻たちの生々しい実例を伝えます。
キッチンですれ違うときに…
結婚生活の永遠のテーマ「嫁姑問題」に加え、最近、私の主宰する「恋人・夫婦仲相談所」への相談で増えてきているのが「嫁舅問題」。高齢化が進み、いろんな意味で“元気”なアクティブシニアが増えている中、妻が義父母のどちらからもセクハラ被害に遭うというシーンも増えているようです。
「最近のシニアは元気ですからね。油断していると本当に危ないです」
そう言って眉をひそめたのは沙央梨さん(31歳、仮名)。結婚2年目の沙央梨さん夫婦の住まいは、夫の実家から電車で1駅です。夫の実家は義父母とも社交的でアクティブ。夫婦で社交ダンスを習ったり、旅行に出かけたりしていて、とても仲良しだったそうです。
「『年を取ったら、子どもに依存せず、あんなふうに夫婦で悠々自適に好きなことをして過ごしたいよねえ』って夫と話していたぐらい、理想的な夫婦に見えました」
そんな平和な義父母との関係に、あるとき、変化が起きました。
義母が自転車で転倒し、足を骨折。日常生活に支援が必要となり、沙央梨さんがパートの合間を縫って夫の実家を訪問し、家事などを手伝うようになったのです。
「義母には部屋で休んでもらって、私はキッチンで料理をしていました。すると、義父がちょくちょくやってきます。そして、狭い冷蔵庫の周りなどですれ違うときに、さらっとお尻を触ってくるんです。
最初は『たまたま手がぶつかったのかな』と気にしていなかったのですが、回数が増えてきて、わざと触っているなと気付きました。でも、その程度で騒ぎ立てて、義父母との関係がギクシャクするのも嫌だと思って、誰にも言わなかったんです」
そのうち、ソファで新聞を読んでいる義父が「ちょっと肩をたたいてもらえないかな」と沙央梨さんにリクエストしてくるように。ひとしきり肩たたきをした後には必ず、「沙央梨さんもソファにかけなさい」と座らされ、「自分は柔道の心得があるから、関節のずれや体のゆがみが分かる」と沙央梨さんの肩から背中をなでたり、もんだりしてきました。
「最初は困ったなあと思いつつ、『波風立てない方がいいかな』と、遠慮しながらも渋々言われるままにしていたんです。本音をいえば、たとえ背中や肩でも、男性に触られるのは気持ち悪いですよ。義父の触り方は純粋な嫁へのいたわりというよりも、スケベ心が見え隠れしている感じが伝わってきましたし。男性用香水をつけていて臭いし、リビングにはエッチなグラビアがある週刊誌がいつも置いてあるし。60歳を過ぎても“枯れていない”感じが漂っていました」
そうした中、義母との関係にも変化が生じたといいます。
「義母の私への態度が明らかに冷たくなり、何かと家事のやり方に文句を言われるようになりました。結局、『今後は義妹に手伝いを頼むので、もう来なくて結構』と夫宛てに義母から連絡が来ました。夫によれば、『おやじとおふくろが大げんかしていたよって、妹が言っていた』とのことだったので、私へのセクハラの話で、義父母でもめたのでしょう。私としては、面倒なことから解放されてホッとしました。義父の“肩もみ”がもっとエスカレートしてきたらどうしようかと思っていましたから」
60、70代でもまだまだ“元気”なシニアが増える中、古典的な「嫁いびり」とはまた違ったハラスメントも起きているようです。
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