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「あなただから育てられるのよ」“悪意なき”励ましの言葉 発達障害児を育てるママの“胸中”

「この子の寿命よりも1日長く、私を生かしてください」

 この世に生まれてくるか、生まれてこないかは、子ども自身の選択ではありません。もし、子どもが選択しているのだとしたら、虐待する親の家庭に生まれる子も、親を選んでやってきたということになってしまいます。

 障害児を育てている親は言います。「神様、一つだけ願いをかなえてくださるのならば、この子の寿命よりも1日長く、私を生かしてください」と。“親亡き後の子どもの行く末”を案じ、「この子を残して逝けない」と思うからです。実際、順番としてはそういうわけにはいかないのですが、つい、そう思ってしまうのです。少なくとも、そんな気持ちでいる人に対して、「あなたを選んで生まれてきた」とは言わないでほしいのです。

 では、どんな言葉をかけたらよいのでしょうか。

「大変そうだね。私には、あなたの本当の苦労を分かることはできないけれど、何か私にできることがあったら言ってね」。そんなふうに接してもらえると救われます。

 私自身の経験ですが、買い物をするとき、ママ友が一瞬でも「今のうちに買ってきたら」と息子を見ていてくれたり、バスの中で席をすぐに立ってしまう息子を奥の席に座らせてくれたり、誕生日プレゼントに息子がハマっている国旗カードをくれたりしたことがあります。その気遣いが、心に染みました。

 安易な“励ましの言葉”を発する前に、少し考えてみてくださいね。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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