オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

英EU離脱で注目の「国債」、利回りが低下すると価格が上がるのはなぜ?

債券にもキャッシュフローがある

 国際経済アナリストの平田啓さんによると、株式にも債券にも、将来にわたって予定されているキャッシュフロー(お金の流れ)があり、株式であれば配当金が、債券であれば元本と利息(クーポン)がこれに該当します。

 国債はそもそも、国が金融市場から借金をするために発行するもので、例えば、100円を借りたければ、100円の国債を発行します。仮に、10年物の国債で利率が10%であれば、国は毎年、国債を買った人に10円のクーポンを支払いながら、10年後に元本の100円を償還することになります。

 この場合のキャッシュフローは以下の通りです。

 「3年後」を区切りとして見ていきましょう。3年後に100円になるはずの、この国債の元本部分は現在「75.13円」の価値しかありません。金利が10%ですから、1年ごとに1.1を掛け算していき、3年後に100円になる計算です(75.13円×1.1×1.1×1.1=100円)。

 一方で、1年後に10円を生み出すクーポンは現在「9.09円」(9.09円×1.1=10円)、2年後に10円を生み出すクーポンは現在「8.26円」(8.26円×1.1×1.1=10円)、3年後は「7.51円」(7.51円×1.1×1.1×1.1=10円)です。

 こうして、元本の現在価値とクーポンの現在価値を全て合計すると、この国債の現在価値は「100円」になる、というわけです。

 それでは、金利が1%に下がったとすればどうでしょうか。先ほどの計算式の1.1を1.01に直して計算するので、以下のようになります。

 すると、この国債の現在価値は「126.46円」に増えます。金利が低下すると価格が上昇し、逆に、金利が上昇すると価格が下がるのは、こうしたメカニズムによるものです。

1 2 3

平田啓(ひらた・けい)

米国流資産運用アドバイザー・実業家

1993年に外国為替業界に入り、翌年から銀行間通貨オプション取引仲介において業界トップクラスの営業成績を収める。1995年に米ウォール街の金融機関からヘッドハンティングされ渡米。1998年ボストン大学経営大学院に留学。2000年から、現三菱東京UFJ銀行で「通貨オプションディーラー」として高度な金融デリバティブ商品を数多く手掛け、同年、ブルームバーグL.P.にてFX市場分析ツールの開発兼営業に従事、3000人に及ぶ機関投資家をヒアリングする。2005年に株式会社Lavocを設立し、代表取締役就任。専門分野は外国為替を中心とする金融市場分析、国際マクロ経済分析。著書に「FX 誰も教えてくれなかった 外為ディーラーの儲け方」「FX取引入門」など。ほかメディア出演多数。

コメント