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英EU離脱は投資家にとっての“危機”なのか、基本データからプロが読み解く

EU離脱を決めた英国の国民投票が世界を揺るがしています。金融市場では、ポンド安と円高が進行し、日経平均株価も年初来安値を更新するなど、一種の“パニック”のような展開となりました。報道の過熱とともに、ややもすると大局的な視点を見失いがちですが、今回は、英国の簡単な基本データを駆使した「投資のプロ」の見方を紹介します。

 欧州連合(EU)離脱の是非を問う6月23日の英国民投票で、離脱派が勝利を収めました。事前の世論調査では「残留やや優勢」が伝えられていただけに、このニュースが世界に与えた衝撃は大きかったようです。

 結果を受けて金融市場では、英国の通貨ポンドが売られ、“逃避通貨”とされる日本円などが買われる展開に。国民投票直前に、1ドル=104円台で推移していたドル/円は一時、1ドル=99円台まで円高・ドル安が進行、日経平均株価も年初来安値を更新し、1万4900円台をつけるなど、“パニック的”な状況となりました。

 一方、ポンドに対してドルが買われたことから、米国では、中央銀行に相当する連邦準備制度理事会(FRB)が、年内2回を予定している「利上げ」(金融引き締め)を見送り、「利下げ」(金融緩和)にまで踏み切るのではないか、との観測も浮上しています。

 目下、世界経済を混乱に陥れているかのように見える英国のEU離脱問題(Brexit)ですが、そのインパクトはどれくらい大きく、どれくらい持続するのでしょうか。連日の報道で、やや大局的な視野を見失いがちですが、専門家によっては、ある種の“冷めた”見方をする人もいます。

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平田啓(ひらた・けい)

米国流資産運用アドバイザー・実業家

1993年に外国為替業界に入り、翌年から銀行間通貨オプション取引仲介において業界トップクラスの営業成績を収める。1995年に米ウォール街の金融機関からヘッドハンティングされ渡米。1998年ボストン大学経営大学院に留学。2000年から、現三菱東京UFJ銀行で「通貨オプションディーラー」として高度な金融デリバティブ商品を数多く手掛け、同年、ブルームバーグL.P.にてFX市場分析ツールの開発兼営業に従事、3000人に及ぶ機関投資家をヒアリングする。2005年に株式会社Lavocを設立し、代表取締役就任。専門分野は外国為替を中心とする金融市場分析、国際マクロ経済分析。著書に「FX 誰も教えてくれなかった 外為ディーラーの儲け方」「FX取引入門」など。ほかメディア出演多数。

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