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英EU離脱は投資家にとっての“危機”なのか、基本データからプロが読み解く

“過熱報道”に踊らされない、冷静な目も必要

 国際経済アナリストの平田啓さんは「投票直後で変動が激しい金融市場ですが早晩、平穏を取り戻すでしょう。なぜなら、英国の経済的影響力は限定的だからです」と断言します。

 まず、英ポンドの影響力について、平田さんは「そもそもポンドの取引高は全体の5.9%に過ぎません。ポンドの信用力が落ちたとしても、主要3通貨である米ドル、ユーロ、日本円が安泰ならば問題ありません」として、次のようなデータを示します。

国際決済銀行(BIS)の2013年データを基に平田さん作製

 平田さんによると、英国がEU残留/離脱のどちらを選択してもいいように準備し、離脱を材料にポンドを売ることで収入を得ようとする、プロ投資家(外為ディーラー)が存在するといいますが、「取引高が少ないポンドの影響は限定的なので、数週間以内に平穏を取り戻すでしょう」(平田さん)。

 では、英国の実体経済の方はどうでしょうか。以下は、各国の国内総生産(GDP)を円グラフで表したものです。

国際通貨基金(IMF)の2016年データを基に平田さん作製

 平田さんは「英国はGDP世界5位ですがシェアはわずか3.8%。世界経済上位3カ国は米国、中国、日本なので、英国はEU加盟国との貿易が減っても、日米中やアジア諸国との貿易を拡大すれば、今よりも経済成長できる可能性が十分にあります」と話します。

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平田啓(ひらた・けい)

米国流資産運用アドバイザー・実業家

1993年に外国為替業界に入り、翌年から銀行間通貨オプション取引仲介において業界トップクラスの営業成績を収める。1995年に米ウォール街の金融機関からヘッドハンティングされ渡米。1998年ボストン大学経営大学院に留学。2000年から、現三菱東京UFJ銀行で「通貨オプションディーラー」として高度な金融デリバティブ商品を数多く手掛け、同年、ブルームバーグL.P.にてFX市場分析ツールの開発兼営業に従事、3000人に及ぶ機関投資家をヒアリングする。2005年に株式会社Lavocを設立し、代表取締役就任。専門分野は外国為替を中心とする金融市場分析、国際マクロ経済分析。著書に「FX 誰も教えてくれなかった 外為ディーラーの儲け方」「FX取引入門」など。ほかメディア出演多数。

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