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健康食「玄米」、食べ過ぎでどんなリスク? 「血糖値が上がりにくい」は本当? 注意点を医師に聞いてみた

「玄米は血糖値が上がりにくい」といわれていますが、本当なのでしょうか。内科医・糖尿病専門医に聞きました。

玄米は血糖値が上がりにくいのは本当?
玄米は血糖値が上がりにくいのは本当?

 健康維持やダイエットのために、白米の代わりに玄米を食べる人がいます。実際に、SNS上では「玄米は血糖値が上がりにくい」という内容の声が上がっていますが、本当なのでしょうか。玄米を食べるときは、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

過剰摂取で下痢などの症状が出ることも

Q.「玄米は白米よりも血糖値が上がりにくい」といわれていますが、本当なのでしょうか。白米の代わりに玄米を食べるメリットも含めて、教えてください。

市原さん「玄米が白米よりも血糖値が上がりにくいのは、本当です。血糖値が気になる場合は、白米の代わりに玄米を食べるのをお勧めします。

100グラム当たりの糖質量は、白米が約36グラム、玄米が約34グラムとほぼ同じです。しかし、玄米に豊富に含まれている食物繊維が、小腸からの糖の吸収を抑えるため、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。

また、硬い玄米をしっかりとかむと、血糖値を下げる働きを持つホルモンである『インスリン』の分泌が促進されるため、より血糖値が下がりやすくなります。よくかむことで満腹感を得ることができるので、食べ過ぎの防止にもつながります」

Q.玄米を食べるときの注意点はありますか。

市原さん「先述のように、玄米には食物繊維が豊富に含まれているため、過剰に摂取すると、便秘や下痢などの消化器症状を引き起こす可能性があります。特に、潰瘍性大腸炎の持病がある人が食物繊維を過剰に摂取すると、症状が悪化する恐れがあるため、注意してください。

また、玄米は、白米よりもカリウムやリンを多く含んでいます。腎不全などで腎臓の機能が低下している場合、カリウムやリンがうまく排せつされず、体内にたまることで、不整脈やけいれん、胃腸症状など、さまざまな症状が出る可能性があります。腎不全で透析治療を受けている人は、玄米の摂取を控えた方がよいでしょう」

(オトナンサー編集部)

【画像で丸わかり!】「玄米」の摂取を控えた方がよいケース

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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