オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

人間の体と脳の“エネルギー源”…「ブドウ糖」って? 疲労回復&集中力アップも 内科医が解説

人間の体と脳の“エネルギー源”となる「ブドウ糖」。疲労回復や集中力アップの効果も得られると言います。そこで、内科医・糖尿病専門医にさまざまな疑問を質問してみました。

「ブドウ糖」を摂取して疲労回復&集中力アップできる?
「ブドウ糖」を摂取して疲労回復&集中力アップできる?

 連日の猛暑、台風の影響などで脳や体に疲労を感じている人も多いと思います。人間が活動するために欠かせないエネルギー源の一つとして「ブドウ糖」があります。「ブドウ糖」は白米やパンなどに含まれている糖質です。ブドウ糖の摂取量が少ないと栄養不足など体の不調につながるため、不足しないように摂取することが大事とされています。

 そこで、ブドウ糖を取ると体にどのようなメリットがあるのか。また、不足すると、過剰摂取すると、それぞれどのようになるのかなど、さまざまな疑問を内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

脳のエネルギー源はブドウ糖だけ

Q.そもそもブドウ糖とは何でしょうか? 砂糖などとは違うものなのでしょうか。

市原さん「自然界に最も多く存在している単糖類です。砂糖や果糖、でんぷんなどはブドウ糖が他の単糖類やブドウ糖同士と結びついてできたものです。穀物や芋類、果物、砂糖、ハチミツなどの甘味料といった食べ物に含まれています」

Q.ブドウ糖が、体や脳にもたらすメリットとは何ですか。

市原さん「生命を維持するエネルギー源であり、脳のエネルギー源となるのはブドウ糖だけです。疲労回復や集中力のアップにも期待できます」

Q.ブドウ糖が不足すると、どのような症状が出るのでしょうか。

市原さん「過度であれば血糖値が上がり低血糖状態となり、冷や汗、動悸(どうき)、倦怠(けんたい)感、意識障害などさまざまな症状を引き起こします。また、ケトン体という酸性物質が体内に増えることにより、吐き気や嘔吐(おうと)などの症状を起こす可能性もあります」

Q.ブドウ糖を摂取しすぎると太るなどするのでしょうか。招く危険がある病気などはありますか。

市原さん「太ります。肥満による病気には、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、これらによる動脈硬化が進行した結果、脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる病気になる可能性があります」

 市原さんによると、脳のエネルギー源はブドウ糖だけということです。頭が疲れた、集中力が欠けているといった症状を感じている人は食事でブドウ糖を摂取してみるといいかもしれません。ですが、過剰摂取は思わぬ病気を招く危険性があるため、適度な量を心掛けるようにしてくださいね。疲労回復や集中力アップを図って、残暑を乗り切りましょう。

(オトナンサー編集部)

【簡単じゃん!】ブドウ糖が豊富と言われている食事メニュー&食材5つ公開! 朝食から取り入れられそう!

画像ギャラリー

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

コメント