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婚活女性「苦痛」とドン引き…お見合いに「家の権利書」「介護施設のパンフレット」 中高年男性の“やらかし”

親を入居させる介護施設のパンフレットを持参

 こんな男性もいました。

 安藤ふみかさん(54歳、仮名)が、太田みつあきさん(61歳、同)とお見合いしたときのことです。こちらも、お見合いの席に着くなり、みつあきさんがバッグの中から、パンフレットのようなものを取り出したのです。

 そして、こう言いました。

「もうすぐ90歳になる母と同居しています。母は、もしも私が結婚をしたら、こちらの介護施設に入ると言っているんです。入居金や月々の費用も、母の貯金と年金で賄えますから、親の介護の心配はありません。今の家は持ち家なので、そこに住めますよ」

 その家というのは、みつあきさんが40代半ばのときに新築したそうです。

「当時は父も生きていたので、3人で住んでいました。後に、母と2人になりました。大人3人の暮らしでしたし、ペットも飼っていなかったので、家はほとんど傷んでいません」

 そのパンフレットを目の前に出され、ふみかさんは、何だか嫌な気持ちになったそうです。

 ふみかさんは、私に言いました。

「自分は60歳を過ぎて再婚を考えている。そんなときに、90歳近い母親を介護施設に追いやって、そこで新しい妻と暮らそうと考えている。それって、どうなんでしょうか?」

 さらに、ふみかさんが続けました。

「もともとはご両親がその土地に家を建てて、太田さんは、そこで生まれ育ったわけですよね。ということは、ご近所の方とは顔なじみでお付き合いもあると思います。『還暦を過ぎて結婚したかと思ったら、老いたお母さんを施設に追いやってしまった』と、ご近所の人たちは思うはずです。人の口には戸が立てられない。そんな場所で暮らしたら、周りから白い目で見られそうです。そうかといって、90歳近いお母さまと同居したら、介護が目に見えている」

 お見合いの席で、いきなり「親を介護施設に入れる」とパンフレットを見せられたら、誰もがふみかさんと同じ気持ちになるのではないでしょうか。

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鎌田れい(かまた・れい)

仲人・ライター

雑誌や書籍のライターとして活動。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も手がけてきた。あるカリスマ仲人を取材したことをきっかけに「ご縁を結ぶ仕事」に興味を持ち、現在は結婚ナビゲーターとしても活動中。婚活のためのレクチャーやイベントも多数開催する。プライベートでは、婚活パーティーで知り合った夫と結婚し、双子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。「最短結婚ナビ公式サイト」(http://www.saitankekkon.jp)、YouTube「仲人はミタ チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCObGYwIfj_oY-cm9LlnFmdA)。

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