歯を失う可能性も…放置すると怖い「クレンチング症候群」って何? 歯科医師に聞いた
クレンチング症候群に気付くための「8項目」
Q.自分がクレンチング症候群かどうかを知るための方法はありますか。
石川さん「次に挙げる8項目を確認することで、セルフチェックができます。一つでも当てはまる場合は、クレンチング症候群の可能性があると考えてよいでしょう」
・前歯以外の歯の先端が平らになっている
・歯茎に骨の盛り上がりがある
・歯の根元が欠けている
・朝起きると顎に痛みがあったり、こわばる感じがあったりする
・肩こりや頭痛が強くある
・舌の側面や、頬の内側の粘膜が歯の形に変形している
・虫歯などがないにもかかわらず、歯が染みる
・事故や外傷などではなく、歯が欠けたことがある
Q.クレンチング症候群は治すことが可能ですか。
石川さん「起きているときのクレンチング症候群は、意識次第で改善できる可能性があります。しかし、寝ているときのケースでは無意識下で行われることもあり、根本的にクレンチングをやめさせるための、医療的に確固たる根拠を持った治療方法はありません。
歯科医院では、クレンチング時にかかる強い力から、歯や骨、顎の関節を守る目的で保護用のマウスピースを作成したり、そもそものかむ力を弱める目的でボトックス注射を行ったりするなどの処置を選択します。また、クレンチングそのものではなく、クレンチングでかんだとき、一部の歯に力がかかってしまうような歯並びの悪い部分の矯正治療を行ったり、知覚過敏の生じている歯のケアなどを行ったりもします。
家庭での対処法としては、まず、自分のクレンチングに対して意識を向けることです。自分が歯ぎしりをしてしまうタイミングや、ふとしたときに上下の歯が当たっていないかを意識して、『なりやすい時間帯』『なりやすい状況』を把握することが第一となります。第二として、それらを把握した上で、歯ぎしりをしてしまう状況時にできる限り歯ぎしりをしないよう意識して、肩の力をスッと抜くことなどが考えられます。
また、アルコールやたばこなども原因として報告されているため、それらを控えてみたり、睡眠の質を高めるために枕や布団にこだわってみたりするのも、一助になる可能性があるでしょう」
(オトナンサー編集部)
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