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「今後、ホワイトタイガーは飼育しません」 大牟田市動物園が宣言、その背景に人間のエゴ?

福岡県の動物園が園内に掲げた看板が、SNS上で話題となっています。「今後、ホワイトタイガーは飼育しません」という宣言の背景には、何があるのでしょうか。

動物園に設置されている看板(大牟田市動物園のブログより)
動物園に設置されている看板(大牟田市動物園のブログより)

 福岡県のとある動物園が園内に掲げた看板が、SNS上で話題となっています。ホワイトタイガーの飼育スペース近くに「人の都合で維持されているホワイトタイガー」と大きく書き、その理由を説明。「今後、ホワイトタイガーは飼育しません」と宣言しました。SNS上では「斬新」「教育施設としての動物園の姿ですね」などの声が寄せられています。動物園の広報担当者に理由を聞きました。

ホワイトタイガーの現状を知ってもらいたい

動物園に設置されている看板の一部(大牟田市動物園のブログより)
動物園に設置されている看板の一部(大牟田市動物園のブログより)

 看板を設置しているのは、1941年開園の大牟田市動物園(福岡県大牟田市)。JR大牟田駅から南に位置する延命公園内にあります。健康チェックやケアを動物に負担のない方法で行うための訓練「ハズバンダリートレーニング」を積極的に導入したり、動物が運動できる道具を数多く設置したりする取り組みが注目されている動物園で現在、ホワイトタイガーを飼育しています。

 看板には、ホワイトタイガーの特徴を説明する文章とともに、現在、各地の動物園にいるホワイトタイガーが親や兄弟との交配を繰り返して誕生したこと、近親交配のために斜視や関節形成不全などの病気を抱えて長生きできないケースがあることを紹介しています。

Q.この看板を設置した理由を教えてください。

担当者「ホワイトタイガーがどういう動物なのかを少しでも多くの人に知っていただこうと、今年2月に設置しました。現在、動物園にいるのは、2001年1月に生まれた雌のホワイトタイガー『ホワイティ』です。来園者から『ホワイティは高齢だが、ホワイティが亡くなった後はどうするのか』と問い合わせを受けたこともあります。看板にも書いているように、現在のホワイトタイガーは人為的に生まれた動物です。こうした事実を踏まえ、新たに飼わないこととしました。

もちろん、ホワイティの飼育は今後も全力で行い、生活の質を高める努力は怠りません。ハズバンダリートレーニングを用いた健康管理や採血による血液検査を行うなど、ホワイティが少しでも長生きできるよう、大切に飼育していきます」

Q.来園者からはどのような意見が寄せられていますか。

担当者「『このような問題があったとは知らなかった』『良い取り組みだ』など、好意的な意見を頂いています。一方、『ホワイティへの愛が足りない』というお叱りを頂いたこともありました。業界関係者からは『(先進的な取り組みをしてきた)大牟田でなければ、あれは出せない』と言われたことがあります。

『客足が減る心配はなかったのか』というご質問も頂きましたが、その点に関しては全く心配していませんでした。しかし、意図がきちんと理解されずにネット上で炎上をすることは避けたいと考えていたので、分かりやすい説明をすることを心掛けました。ホワイティが生きている間に看板を出すことに意味があると考えています」

 なお、SNS上には「現実をしっかり教えて考えさせる動物園なんだな。子どもと一緒に行きたいね」という声もありました。

(報道チーム)

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