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賃貸でも渡す? 新築祝いとの違いは? お返しは必要? 「引っ越し祝い」贈る側&受け取る側の疑問、マナーコンサルタントに聞いた

今年も引っ越しシーズンがやってきました。「引っ越し祝い」を渡す際、また受け取る際に悩みがちな疑問について、マナーコンサルタントが解説します。

「引っ越し祝い」の疑問を解決!
「引っ越し祝い」の疑問を解決!

 春からの新生活に向けた“引っ越しシーズン”真っただ中です。友人や家族に「引っ越し祝い」を贈りたいと考えている人もいると思いますが、「賃貸への引っ越しでも渡す?」「お返しは必要?」「新築祝いとはどう違うの?」といった疑問の声も聞かれます。そこで、 贈る側と受け取る側のそれぞれが悩みがちな「引っ越し祝い」の疑問について、一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」(東京都港区)代表理事でマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞きました。

中古物件の購入時は「引っ越し祝い」

Q.まず、「引っ越し祝い」の基本的な意味合いや、贈る時期の目安を教えてください。

西出さん「引っ越し祝いは身内や友人、知人など親しい人が引っ越しをした際に、今後の健康やさらなる発展、そして幸せを願う気持ちから贈るお祝いの品のことです。

引っ越し祝いを贈る時期は、引っ越しが決定し、荷造りを始める前がよいといわれています。既に荷造りを始めている場合や、引っ越し日の直前、引っ越し当日、直後は先方が立て込んでいるという理由からです。なお、引っ越し前に渡すことができなかった場合は、引っ越し後、新居に招かれた際などに渡してもよいとされています。

ただし、渡す側も事情によって、そのようにできない場合もあるでしょう。引っ越し当日にお見送りに行った際に手渡しすることも、荷物にならない物であれば喜ばれると思います。今まで言われてきた慣習や、引っ越し祝いを贈る時期も、双方の関係性や状況に応じてさまざまなケースがあってよい時代になったといえます。大切なことは、相手の立場に立って、相手の状況に配慮し、迷惑や負担をかけない贈り方をすることです」

Q.引っ越し祝いの相場はどのくらいでしょうか。

西出さん「相場は、贈る相手や関係性によって異なります。一般的にいわれている引っ越し祝いの目安は、次の通りです。

・上司、先輩、取引先の人…5000〜1万円程度
・部下、後輩…3000〜5000円程度
・友人…3000〜1万円程度
・両親、義両親…3万〜5万円程度
・兄弟姉妹…1万〜3万円程度

なお、親や兄弟、親族に関しては、それぞれの考え方によると思います。絶対にこの金額でなければいけないという決まり事ではないので、家族、親族間でお互いに負担とならない金額を贈るとよいでしょう」

Q.「賃貸への引っ越し」の場合も、引っ越し祝いとして渡した方がいいのでしょうか。

西出さん「はい。引っ越しをする(した)相手に対し、それを贈りたいという気持ちがあれば、お渡しして何ら問題はありません。賃貸であっても、『引っ越し祝い』として贈ります」

Q.引っ越し祝いを受け取ったら、お返しは必要ですか。それとも不要ですか。

西出さん「一般的には、必要といわれています。本来、引っ越し祝いのお返しは、品物ではなく、『新居に招いてもてなす』ことでお返しとされています。しかし、遠方であったり、事情によっては招くことができなかったりすることもあるでしょう。そこで、内祝いとして品物を贈るわけです。

お返しは、頂いた金額の3分の1から半分の金額を贈るといわれています。このときのかけ紙は、のしをつけ、水引は蝶結びにします。表書きは『内祝』としましょう。

なお、親などから高額の現金で引っ越し祝いを頂いた際には、必ずしも『半返し』でなくてもよいでしょう。引っ越しは何かとお金がかかります。親としては『何かの足しにしてほしい』という気持ちも込められているからです。頂いたことへの感謝の気持ちを忘れずに、きちんとお礼を伝えた上で、お返しは1割から3割程度でも問題ないでしょう。

引っ越し祝いのお返しは、その祝い事の『御福分け』という気持ちから贈るといわれています。これは内祝いの考え方と同様です。よって、引っ越し祝いのお返しの表書きは『内祝』となるわけです」

Q.ちなみに、引っ越し祝いと「新築祝い」はどう違うのでしょうか。

西出さん「引っ越し祝いは、中古物件購入時や、賃貸物件に引っ越しをした場合に贈ります。一方、『新築祝い』は新築の戸建やマンション、また、企業が店舗やビルを新築したときに贈るものといわれています」

Q.その他、引っ越し祝いを受け取る際に注意した方がよいこととは。

西出さん「『お返しは不要です』と言われて贈られた際には、最低限、お礼を伝えることは忘れないようにしましょう。そして“引っ越し祝いのお返し”という形ではなく、相手の誕生日や、相手が引っ越しをするときにお祝いを贈ることで、ウインウインの関係が築けることでしょう」

(オトナンサー編集部)

西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと2000年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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