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わが家の防災、何をしている? していない? 実際のところを聞いてみた

一つずつでも着手を

 一方、災害対策を全くしていない人は、防災についてどう考えているのでしょうか。

「常々、『災害対策をしておかなきゃ』と思っています。でも、いつ起きるか分からない災害に対して実感が湧かないので、『このままでもいいかな』と思ってズルズルと…。たまに、ふと『防災で何かしなきゃ』と思ってネットを調べると、やることがたくさんあるのが分かって、またそこで心が折れて…を繰り返している状態です」(20代男性)

「防災」の具体的な行動といえば、非常食や水の確保、家具の転倒防止、ハザードマップの確認、地域の防災情報集め、災害に関する学習、避難訓練への参加などが挙げられます。最初から「全部やらなくちゃいけない」と考えてしまうと大変なので、やりやすいものから一つずつ着手していくのがいいかもしれません。

 こんな声もありました。

「『いざとなればなんとかなる』という考えが根にあるため、災害対策を行う必要性を感じていません。災害が起きて、自分一人ではどうにもならなくなったら近所の人、自治体に助けを求めてもいいですし、交通インフラが機能していなくても、1日歩けば近県にある実家を頼ることができます。最悪の場合、山の中でサバイバル生活をする覚悟もあります。

こう思えているのも自分が独身だから、というのは大きいと思います」(30代男性)

 守るべき家族がいるか否かで、意識も大きく変わってくるようです。

 先に紹介したアンケート結果によると、「現在の防災意識と対策状況」という設問で、「対策の必要性を感じており、十分に対策を行っている」と回答した人はわずか10.7%でした。つまり、9割近くの人が「十分な対策を行えていない」と感じているということです。十分な対策をしておくに越したことはないのですが、「頭で分かってはいても、100点満点を目指すのはなかなか難しい」というのが、多くの人の本音のようです。

 とはいえ、災害には「いつ起きるか分からない」という怖さがあります。「防災の日」を機に、何か一つでも、防災に関することに着手してみてはいかがでしょうか。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

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