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コロナ禍で「ガクチカ」が話せない! さてどうする? 専門家のアドバイス

「実績」がなければ「期待」で勝負

 しかし、中には「昔話」も、そこから生まれた「能力」「性格」「価値観」が表れている学生時代の小さなエピソードもなかなか思い当たらないという人もいるかもしれません。それでもまだ大丈夫です。

 もちろん、採用する側としては、学生時点である程度「できそうな片鱗」を見せてもらえる方が安心ですが、社会人から見れば学生は「ポテンシャル」(潜在能力)で評価をする存在であり、顕在化した行動や実績がなかったとしても、期待をかけてもらえれば採用される可能性は大いにあります。ですから、過去の話が刺さりそうにないという場合は、相手が自分に期待してもらえるように「思い」の強さを語ってみましょう。

 では、候補者が熱く強い思いを持っているか、面接担当者はどう判断するのでしょうか。それは目力でも大声でも気合いでもありません。面接担当者が候補者の思いが本気であるか、強いのかを判断するのは、「きっかけ」「意見」「行動化」の3つです。

 例えば「私は将来こうなりたい」「御社に入社したらこれがしたい」と候補者が面接で主張したとすれば、続けて、「なぜそう思うようになったのか(きっかけ)」「やりたいことについてどんな意見を持っているのか(意見)」「今、実際に何か取り組み始めていることは何か(行動化)」という質問をするのです。これらの質問への回答を考えておいて、できれば自分から語ってみてください。

「やりたい理由」にも「昔話」を

 この時、注意しなくてはならないのは、「きっかけ」≒「やりたい理由」を、「理屈」で説明してしまうことです。例えば「環境問題に興味があり、SDGsに関連する事業をやりたい」という思いの理由を、「なぜならば、環境問題は地球や人類にとってとても重要なものだから」的な「理屈」で説明しても、「それはそうだけど、でもなぜあなたが関心を持ったのかはよく分からない」となります。自分のことから理由を説明しなくてはいけません。

 ここでも重要なのは「昔話」です。「自分はこういう環境で育った」「こういう出来事があった」「こういう人に影響を受けた」と自分の歴史から説明をすると、相手は「なるほどそういうことがあったなら、その思いは深そうだ」となるのです。

「ガクチカがない」と嘆いている皆さん。この夏、「自分の昔話」をしっかり思い出してみましょう。

(人材研究所代表 曽和利光)

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曽和利光(そわ・としみつ)

人材研究所代表

1971年、愛知県豊田市出身。灘高校を経て1990年、京都大学教育学部に入学し、1995年に同学部教育心理学科を卒業。リクルートで人事採用部門を担当し、最終的にはゼネラルマネジャーとして活動した後、オープンハウス、ライフネット生命保険など多様な業界で人事を担当。「組織」「人事」と「心理学」をクロスさせた独特の手法を特徴としている。2011年、「人材研究所」を設立し、代表取締役社長に就任。企業の人事部(採用する側)への指南を行うと同時に、これまで2万人を超える就職希望者の面接を行った経験から、新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開している。著書に「定着と離職のマネジメント『自ら変わり続ける組織』を実現する人材流動性とは」(ソシム)など。

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