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心電図検査で心臓が胸の“右側”にあることが判明…「本当にあるんだ」「左右逆でも問題ない?」

心臓の位置が左右逆になるケースがSNS上などで話題に。「こういうの本当にあるんだ」「左右逆でも問題ない?」といった声が上がっていますが、左右逆でも身体に影響はないのでしょうか。

通常は胸の左側にある心臓だが…

 心臓の位置が左右逆になるケースについて先日、SNS上などで話題になりました。通常、心臓の位置は胸の左側ですが、右側にあることが心電図検査によって発見されるケースもあるようで、こうした体験談に対し「漫画で見たことあるけど、こういうの本当にあるんだ」「左右逆でも問題はないのだろうか」など、さまざまな声が上がりました。心臓の位置が左右逆になるケースについて、公益財団法人日本心臓財団顧問で東京大学名誉教授の杉本恒明さんに聞きました。

5000人に1人の割合で生じると言われる

Q.心臓はどこに位置するのが通常の状態なのでしょうか。

杉本さん「心臓の正常な位置を把握するにはまず三角錐(すい)を想像してみましょう。机の上で縦に線を引き、三角錐の底面の1辺をこれに合わせて線の左側に置きます。三角錐が心臓、縦に引いた線が身体の『正中線』であり、これを置いた机が横隔膜にあたります。机に置かれた三角錐の底面の左に向いた先端を『心尖部』といいます。通常、心臓はこのような状態で体内に置かれています。一方、心臓が正中線の右にあって左右が逆になり、心尖部が右に向いている場合があります。これが『右胸心』です。通常の心臓の位置を鏡で写した形になるため『鏡像型右胸心』といいます」

Q.心臓の位置が左右逆になる原因や症例数を教えてください。

杉本さん「胎生期に、右に屈曲するはずの心臓ループが左に屈曲するために起きるとされています。これは心臓単独でも起きますが、すべての内臓の位置が左右逆になっている『内蔵逆位』の場合によく見られ、5000人に1人の割合で生じると言われています。また、心奇形の合併は5%ほどの頻度とされています」(参考:門間和夫他編「臨床発達心臓病学」中外医学社)

Q.右胸心の場合、心臓の機能に何らかの違いや問題はあるのでしょうか。

杉本さん「心臓の位置が左右逆というだけのことです。生まれつきのものなので、ほかに随伴する異常がなければ、機能的に普通の場合と違いはなく何の問題もありません」

Q.右胸心の人が発症しやすい病気などはありますか。

杉本さん「心臓のみが左右逆の右胸心では、肺動脈と大動脈が入れ替わる『修正大血管転位症』の合併を伴うことがありますが、特に処置を必要とするものではありません。まれに『気管支拡張症』や、副鼻腔炎を伴う『カルタゲナー(Kartagener)症候群』などを有する場合もあります」

Q.右胸心以外にも、心臓の位置が通常でなくなるケースはあるのでしょうか。

杉本さん「右胸心ではなくても、胸郭の変形や肋膜の癒着、あるいは肺の膨張・縮小などのために心臓の位置が移動することがあります。この場合は『右方偏位心』といいます。右方偏位心と右胸心のどちらに該当するかは、先に述べた心尖部が左向きか右向きかで判定します。X線写真で、この2つを判別することはしばしば難しいのですが、心電図で容易に診断できるため、『心電図検査によって発見された』という体験談はよくあります」

(オトナンサー編集部)

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