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「消費税は僕が払います」で婚活失敗 42歳実家暮らし男性の“割り勘デート”

婚活の場で交際に進んだ人の中には、「そこから先がうまくいかない」と悩む人が多くいますが、「会話の仕方や話題選びが間違っているから」と仲人である筆者は指摘します。

結婚にたどり着けない人の共通点とは?
結婚にたどり着けない人の共通点とは?

 婚活は、いわずと知れた、それまでお互いのことを全く知らなかった男女の出会いです。お互いのプロフィルの情報(写真、年齢、年収、職業、趣味など)を見て、「この人ならお会いしてみたい」と思った人に申し込んだり、申し込まれたりして、マッチングすれば成立します。そのため、お会いしたときに、相手にどんな印象を与えるかで、その後の交際の明暗が分かれます。

「交際に入っても、そこから先がどうもうまくいかない」というのはよく聞く話ですが、なぜうまくいかないのか。うまくいかない人というのは、会話の仕方や話題選びが間違っているのです。今回は、お見合いやお付き合いでどんな話をしたらよいのかを、一緒に考えていきましょう。

“お見合い指導教官”が降臨

 先日、山本よしみさん(36歳、仮名)がお見合いをしました。よしみさんはそれまで、飲み会のような合コンには参加したことがありましたが、1対1のお見合いは初めて。ドキドキしながら臨みました。お相手は、都内のメーカーに勤務する藤田たかしさん(41歳、同)でした。お見合いを終えたよしみさんが、連絡を入れてきました。

「悪い印象はなかったのですが、私が、お見合いが初めてだと伝えたからでしょうか。終始、『お見合いとはこういうもの』『結婚相談所はこんな所』という解説をしてくださり、藤田さんの趣味とかお人柄がいま一つ分かりませんでした」

 藤田さんはもう4年近く、お見合い婚活を続けているようでした。そして、こんなことをおっしゃったようです。

「申し込みを20件かけても、受諾されるのは1件くらい。辞退の返事はがっかりしますが、何の返事もせずにスルーする人もいるんですよ。そういう人たちには、もっとがっかりしますね。結婚相談所には、登録をしていてもやる気のない人が一定数います」

 申し込みをかけたときに受けてもらえる確率というのは、その人の年齢や条件によって変わってきます。見た目もすてきで、年収も高く、社会的に信用の高い職業に就いている男性の場合は、受諾率が上がります。そうでなければ、下がります。

 また、返事をせずにスルーするのは、そのお相手に興味が持てなかったからというのもありますが、もう一つの理由もあります。「受けたいけれど、今は仮交際している人たちが複数いるので、手一杯な状態。辞退すると、相手を拒否したことになってしまうので、今回の申し込みはひとまず返事をしないで流す。そして、仮交際中の人たちとうまくいかなくなったら、自分からお申し込みをかけよう」と思っているのです。それを、「やる気がない」と一方的に決めつけてしまうのは、いかがなものでしょうか。

 そして、藤田さんはこう続けたそうです。

「交際に入っても、1度か2度会うとだいたい断られますね。お見合いを入れて、3回でだいたい結果が出る。あと、相談所では『3カ月ルール』というのがあって、交際結果を3カ月で出さないといけない。まあ、結婚相談所の場合、“3”という数字がポイントになりますね」

 これに関しては、確かに“3回の壁”はあります。お見合いのときに、可もなく不可もなしなら、「もう一度会ってみるか」という気持ちになる。そして、交際希望を出してデートをしてみる。このときに、可もなく不可もなしだったら、「もう1回だけ会ってみようか」と思う。そして、またお会いする。これが、お見合いを入れて3回目に会うことになるのですが、そこで可もなく不可もなしなら、4回目に会う気にはなれないのが、人間の心情の流れだからです。

 また、「交際結果を3カ月で出さなくてはいけない」というのは、婚活をしているお互いの時間を無駄にしないために設けられている目安となる期間です。お互いが「もう少し付き合っていたい」というのであれば、その限りではありません。3カ月を越えてお付き合いしてもよいのです。

 藤田さんはさらに、熱弁をふるったとのことです。

「女の人たちは、男性の年収にこだわりますけどね。年収が高くたって、借金がある人はいますよ。特に、自営で仕事をしている人は、大きなお金が入ってきても、借金の返済と生活費で消えていくから、年収の欄に記されている数字なんて、当てにならないですよ」
 
 まるで婚活指導教官のごとく、婚活事情を解説してくださったというのです。よしみさんは、私に言いました。

「婚活事情を全く知らない私にとっては、とても勉強になるお見合いでした。ただ今後、この人を男性として好きになるかというと、おそらくならない気がします。お見合いをしていて、楽しい気持ちになれなかったんです。今回はお断りでお願いします」

 婚活事情や、これまでの自分の婚活失敗談をお見合いの席で話している男性を、魅力的に感じる女性はまずいないでしょう。

 お見合いでは、まず自分を知ってもらう。そして相手を知ろうとする。その気持ちが大切です。趣味、休日の過ごし方、好きなもの、どんな仕事をしているかの話をして、笑顔で楽しい会話を心掛ける。物事への批判、批評をしたり、仕事へのネガティブ発言をしたりするのは、大きなマイナスですよ。

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鎌田れい(かまた・れい)

仲人・ライター

雑誌や書籍のライターとして活動。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も手がけてきた。あるカリスマ仲人を取材したことをきっかけに「ご縁を結ぶ仕事」に興味を持ち、現在は結婚ナビゲーターとしても活動中。婚活のためのレクチャーやイベントも多数開催する。プライベートでは、婚活パーティーで知り合った夫と結婚し、双子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。「最短結婚ナビ公式サイト」(http://www.saitankekkon.jp)、YouTube「仲人はミタ チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCObGYwIfj_oY-cm9LlnFmdA)。

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