ネガティブに思われがちな“世渡り上手” 本当に必要か聞いてみた
“世渡り上手”は全否定できない
自身が世渡り上手ではないものの、周囲からは「出世街道まっしぐら」と評されているCさん(31歳男性)。社員数が1万人を超す大企業で、さまざまな人を見てきた結果、「世渡り上手も良しあしではないか」と考えるようになったそうです。
「出世を目指して世渡り上手を実践している人は、本当によく努力していると思います。これは皮肉でもなんでもなく、尊敬に値します。絶えず微妙に変化する周囲の空気に気を配り、言葉一つ一つを選んで慎重に、時に大胆に行動する彼らは、薄氷の上を走って進んでいくようで、とてもまねできる芸当ではありません。
彼らにとっては、“出世すること”がものすごく大事なので、それについて他人があれこれ言うのは、やぼなのかなと思います。価値観は人それぞれなので。
出世欲のない私が周囲から『出世する』と思われているのは、自分が正しいと思ったことを曲げない性格が面白がられているからですが、世渡り上手な人たちは出世のため、いろいろ嫌なことを我慢しています。そこが特にすごいと思います。
ただし、世渡り上手な人は、自分の立場を有利にするために、他人を蹴落とす、または他人の足を引っ張ろうとすることがあります。あれは本当によくないです。そこまでして得た地位には価値がない、と思いたいところです。
そういうことをする人に対しては『そんなことまでして恥ずかしいですね』って言っていいと思います。『価値観は人それぞれ』と矛盾しますが、こちらにもこちらの価値観はあるので(笑)」(Cさん)
結局のところ、“どう考えるかは人それぞれ”には違いなく、“どうなりたいか”も人によって異なります。ある人からは「空虚だ」と評されたとしても、“世渡り上手”で仕事に成功して、豪邸に住めれば問題ないと考える人もいるでしょう。反対に、仕事で成功することは二の次で、誠実さや大切な人たちとの関係、あるいは“自分らしくあること”を大事に思う人もいます。
ヘイトを集めやすい“世渡り上手”ですが、肯定派・否定派の枠にとどまらず、十人十色の見方・捉え方があることが興味深く感じられました。
(フリーライター 武藤弘樹)

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