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親にとっての「小1の壁」とは? 4月になって慌てないため、今からやるべきこと

もうすぐ新入学シーズン。小学校の入学式を控える親子も多いと思いますが、環境の変化に戸惑うのは子ども本人だけではないようです。親がぶつかる「小1の壁」とは。

「小1の壁」どんなもの?
「小1の壁」どんなもの?

 わが子が小学生になり、義務教育が始まると、保育園時代と違って勉強が始まるなど、さまざまな変化があります。とはいえ、3月31日まで幼児と呼ばれていた子が、一夜にして小学生になるわけではありません。子ども自身も戸惑うことが多いのですが、親にとっての「小1の壁」もいくつかあります。「小1の壁」とは、親がぶつかる、保育園と小学校とのギャップ、壁のことを指す言葉です。

入学式まで預かってくれる場所が見つからない

 小学校の入学式はおおむね、4月7~10日あたりの時期に行うところが多いのではないでしょうか。そんなとき、困ることがあります。

 保育園は、3月31日までは子どもを預かってくれるのですが、4月1日以降はどんなに保育園にお願いしても、4月から小学生になる卒園生を基本的には預かってはくれません。そうなると、親が共働きだと、入学式の日まで子どもの居場所がなくなってしまいます。

 入学後にも困ることがあります。例えば、学校の門が開くのは、多くの小学校が午前8時を過ぎてからで、保育園よりも遅いこと。親が出勤のため、子どもを置いたまま家を空けなくてはならない事態に陥ってしまいます。保育園と同じように、午前7時に連れていったら門が閉まっていたり、警備員から「8時〜8時15分の間に再度いらしてください」と言われてしまったりすることもあります。そして、授業終了はだいたい午後3時前なので、家に帰ってくるのも基本的には早いです。

 つまり、小学校に上がると、子どもの登下校時刻は親の就業時間に合わせてくれるわけではありませんから、1人で留守番できるようになるまで困ることになります。保護者の中には、子どもが小学校に上がるタイミングで仕事を続けられなくなったり、時短勤務をせざるを得なくなったりすることが実際に起こっています。

 このようなことにならないように、今から、来るべき小学校生活に向けて準備する必要があるかもしれません。では、具体的にどのような策をもって乗り越えていけばよいのでしょうか。

 まず、入学式までの空白期間です。小学校は春休みでも、小学校の学童クラブ(学童保育)はやっています。自治体によって申込期間があると思いますので、早めに申し込んでおきましょう。

 また、登校時にも準備の余地があります。可能であれば勤務先に事情を話し、子どもが朝、1人で家を出ることができるようになるまでは、出社時刻を遅くしてもらうように交渉してみましょう。朝は、集団登校の集合場所まで、近所の人にお願いして連れていってもらうこともできるかもしれません。

 そして下校時ですが、今まで保育園にいた子に、いきなり1人で留守番させることはできません。学童クラブに申し込み、放課後の居場所を確保しておきましょう。夏休みや冬休みもオープンしているところも多いです。自治体によっては、比較的に低料金で子どもを預かってくれる「ファミリーサポート」というサービスもあるので、利用してみてはいかがでしょうか。

 障害のある子どもの場合、学童クラブを利用する方法ももちろんありますが、障害児の支援に慣れている「放課後等デイサービス」も利用できると安心です。事前申し込みは必要ですが、下校時に迎えに行ってくれるサービスなどもあり、充実しています。

「PTAの仕事が回ってくる」問題

 保育園は、働く親のために子どもを預かり、育ててくれます。そのため、園の行事に親が全面的に携わることはあまりありません。しかし、小学校に上がるとPTAがあるため、そうもいかなくなります。仕事をしている/していないにかかわらず、PTAの役員がいや応なしに回ってくるからです。

 実は、PTAに入る/入らないは自由なのですが、現実問題、全員が“暗黙の了解”のもとで会員になり、役員が回ってくることが多くあります。「あのママは働いているから」「小さい赤ちゃんがいるから」「妊娠中だから」といった配慮をしてくれないこともあります。どこかの学年では役員が回ってきますから、皆が過度の負担なく、気持ちよくこなせるよう、お互いに協力するようにしましょう。

 また、親が共働きの場合でいえば、学校行事の振り替え休日や創立記念日などで、平日でも学校がお休みになることが案外多く、これも困る要因となるでしょう。そんなときは、夫婦で交代のスケジュールを立てながら有給休暇を取得したり、祖父母や近所の人にお願いしたり、民間の預かり施設や学童クラブを利用したりして乗り切りましょう。

 そして、宿題の問題もあります。たとえ小学生になっても、4月当初の子どもはまだまだ幼児のようなもの。宿題を与えておけば、子どもが勝手にやってくれるというわけではありません。「先に名前を書く」とか「問題をやる順番(上の問題から解く、右の問題から解く)」など、当たり前のことさえまだ分かっていません。学校で先生が教えてくれていても、家では忘れてしまっていることもあります。そのため、コツを覚えるまでは、親がある程度見てあげる必要もあります。親も、疲れ切った体にむち打ちながら宿題を見るのは大変ですが、小1でつまずかせないために必要でしょう。

 また、子どもの持ち物も、あれこれと準備しなくてはなりません。「来週までに墨汁を持ってきてください」「絵の具をそろえてください」「鍵盤ハーモニカのホースを用意してください」…こうしたお手紙が学校から急に来て、慌てることもあると思います。できれば事前に、先輩ママに必要な道具を聞いておくとよいでしょう。

 小学校では送迎の必要がなくなり、親としては楽かもしれませんが、その分、担任と話す機会は参観日や個人面談のときだけになってしまいます。子どものことで困ったことがあるときは、電話でアポイントを取って自ら出向いたり、連絡ノートやお手紙で親から意識的にコミュニケーションを取ったりすることも、時には必要かもしれませんね。

「保育園は天国だったなあ」と、小学校に入学してしみじみ思う親御さんも多いようです。戸惑うことのないよう、参考にしてください。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。

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