彼氏に振られた33歳女性、同棲3日で“同級生”と結婚した結果…「スピード婚」の現実
「離婚率が高いのではないか」という声も根強い「スピード婚」。そうした意見を覆す意志があれば、短い交際期間でも問題ないと指摘する筆者が、その理由を事例とともに紹介します。

「出会った瞬間、この人と結婚すると感じた」という言葉をドラマやコミックだけでなく、リアルに友達から聞いたことがある、あるいは、まさに自分がそうだったという人は少なくないと思います。そう感じたら、結婚するまではスピーディーです。目的に向かってまっしぐらの恋愛になるのですから。ところで、どのくらいの期間を経て結婚したら、「スピード婚」と呼ぶのでしょう。
3カ月? 半年? それとも1年? 正確な定義はありませんが「うわっ、早いね!」と周囲に驚かれたら、それはもうスピード婚でしょう。スピード婚は「お互いを深く知らないうちに感情に任せて結婚するので、離婚率が高いのではないか」といった仮説が立てられることがあります。その仮説を覆す意志を持っていれば、結婚まで、どのくらい付き合うかなど全く問題ではないのではと思うのです。
今回は、私が知るスピード婚のケースをご紹介します。
友人歴20年、同棲3日で結婚
心海さん(33歳、仮名)は中学の同級生、隼人さん(33歳、同)と長年、友人として親しくしていました。お互いに全く恋愛感情を持たず、それぞれの彼氏彼女の相談事をする仲でダブルデートもしていました。その関係は社会人になってからも続き、ずっと仲良くしていました。
ある日、心海さんが結婚を考えていた彼氏に振られます。泣きながら彼氏のことを話す心海さんに、隼人さんは「結婚がしたかったのにできないから悲しいの? それとも、彼氏のことが本当に今でも好きだから悲しいの?」と尋ねました。
そう言われた心海さんはふと、われに返り、よくよく考えました。自分が本当にしたかったのは結婚して子どもを産むことで、それは別に、振られた彼氏とでなくてもいいと気が付いたのです。それを隼人さんに伝えると、彼は笑って、「じゃあ、俺と結婚する? 今、俺フリーだし、心海とだったら家族になれる」と冗談っぽく言いました。
びっくりした心海さんですが、数分後、それもいいんじゃないかと感じたといいます。「まずは付き合ってみようか」と心海さんが言うと、逆に、隼人さんは冗談っぽく言ったことを彼女が真に受けるとは思っておらず、「一瞬、思考が止まった」そうです。
最初は冗談のように発した言葉がだんだん重みを増してきて、「結婚を本気で考えてみるか」と思考が結婚に向いた隼人さん。翌月から、心海さんは隼人さんのアパートで暮らすことになりました。3日後、2人は「結婚しても何の問題もない」と即決して婚姻届を出したそうです。周囲の皆は「お似合いだ」と喜んでくれました。2人は結婚して2年たちましたが、男の子が生まれてとても幸せそうです。
「スピード婚だからうまくいかない」は時代遅れ
このケースは友人歴が長く、お互いによい点も悪い点も知っていたのがプラスに働きました。一方、昔の時代の人はスピード婚がスタンダードだったのではと思います。
「結婚とは、家と家のもの」という価値観が大きかった時代はほとんどが紹介か、お見合い結婚。結婚を前提に対面し、お付き合いする期間がさほどなく婚姻届を出すのが一般的でした。先人たちはそれでもうまくやってきたのです。「大学時代から付き合っている彼氏はいるけど、結婚する人はマッチングアプリであと2人くらい付き合ってから決めたいな」というような発想はありません。
恋愛・結婚の価値観がどんどん変わっている現代で「スピード婚だからうまくいかない」という仮説はもはや時代遅れです。長い春を過ごしたカップルでも、結婚後にうまくいかない場合もあります。実際に「同棲(どうせい)期間が長過ぎて、空気みたいな存在になったので刺激がなくて別れた」という人の話も多く聞いています。
恋愛関係における相性のよしあしは、長く付き合ってみなくても分かるもの。とはいえ、「ギャンブル癖や借金があると知っていたけど、イケメンだからスピード婚をした」というのは正確な判断ではありません。直感にプラスして、生活に向く相手かどうかの背景は見定めてください。
結婚の形は千差万別です。自分が自分らしく、幸せな毎日を送れることが一番です。恋愛期間の長さに縛られることはありません。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)
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