「風邪でのどが痛む時はアイスクリームを食べるとよい」投稿が話題に、栄養士に聞く
「風邪でのどの痛みがひどい時はアイスクリームがよい」と助言されたとの投稿が先日、SNS上で話題となりました。アイスは各種の栄養が豊富、かつ食べやすいことが理由だといいますが、実際のところはどうなのでしょうか。

SNS上で先日「風邪でのどが痛い時の栄養補給」についての投稿が話題となりました。投稿者によると、栄養士の友人から「風邪でのどの痛みがひどい時はアイスクリーム(種類別表記)を食べるとよい」と助言されたらしく、その理由として「原料の卵と牛乳には、糖質・タンパク質・脂質が豊富」「冷たくてのど通りがよい」ことが挙げられました。これについて「熱がある時はよさそう」「看護師のおかんにも同じこと言われた」「体が冷えたら逆効果では」など、さまざまな声が上がりましたが実際はどうなのでしょうか。料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。
ビタミンやミネラル、糖質が豊富
Q.風邪でのどが痛い時、アイスクリームを食べることは実際に効果的なのでしょうか。
関口さん「ひんやりとした食感が特徴で口腔内で溶ける性質のアイスクリームは、食欲が低下している時や、のどが痛い時の栄養補給手段として取り入れやすい食品です。適度なとろみがあって誤嚥(ごえん)しにくいため、固形物を飲み込むことを苦痛に感じる高齢者にもオススメ。また、アイスクリームには乳由来のタンパク質やカルシウム、卵由来のビタミンやミネラル類が含まれます。糖質も多いので、補助的なエネルギー源として活用できます」
Q.特にどんな種類のアイスクリームを選ぶべきですか。
関口さん「できるだけ良質な素材から作られた、添加物の少ないアイスクリームがオススメです。チョコレートや抹茶を使ったものにはポリフェノール、カボチャやホウレンソウなどの野菜を使ったものにはβカロテンが含まれます。豆乳がベースのものもあるので、体に優しい材料の製品を選ぶとよいでしょう」
Q.好ましい摂取の頻度やタイミングはありますか。
関口さん「あくまでも嗜好品なので、食事の代わりとしてではなく補助的に取るようにしましょう。どうしても食事が取れない場合や、何も食べたくない時のエネルギー源として食べる場合、薬を飲むために胃に何かを入れなければならない場合は仕方ありませんが、食事代わりにしてよいわけではありません。食べるタイミングは食後が理想的です」
Q.アイスクリームにはメリットの半面、デメリットもあるのでしょうか。
関口さん「基本的に糖質や脂質が高い食べ物なので、食べ過ぎは血糖値上昇や肥満の原因になります。また、熱がある場合は体を冷やすことに役立ちますが、寒気がある場合には控えた方がよいでしょう」
Q.アイスクリーム以外に、風邪でのどが痛い時に効果的な食べ物はありますか。
関口さん「のどの痛みは炎症から来るものであるため、殺菌作用や免疫力向上に役立つニンニクやショウガ、ネギ、また抗炎症作用のあるオメガ3系の油(エゴマ油、アマニ油、青魚類)がオススメです。また、強力な殺菌作用があると言われるマヌカハニーも炎症を鎮めてくれる食材なので、風邪でのどが痛い時に向いています」
(オトナンサー編集部)
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