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地位向上うれしい、でも電車じゃ…「大人が漫画」市民権得てアラフォーの心情は?

サブ垢で“少女漫画愛”を共有

 子どもの頃から、少女漫画を中心に読んできたCさん(40歳、女性)のスタンスは先に紹介したAさんに少し似ています。

「少女漫画が好きなことは隠しているので、リアルの知り合いでは誰もそのことを知らないと思います。でも、少女漫画の話題を投稿するSNSのサブ垢(あか、サブアカウント)では“少女漫画愛”を全開にしていて、自分のSNSのフォロワーたちとキャーキャー盛り上がっています。

40歳になっても、少女漫画にキュンキュンするのは若い頃と変わらないですね。結婚8年目の夫にときめくことはなくなりましたが、漫画に出てくるイケメンの登場人物にはいつも、ときめかされています」(Cさん)

 世の中の漫画に対する変化を、Cさんは夫を通じて感じているそうです。

「夫は新刊の作品を中心に読むライトな漫画好きで、以前から、私の少女漫画好きをばかにしているようでした。しかし、以前よりも少女漫画は進化して、男性でも読み応えがある作品が増えました。夫は私から借りた中で、特に『ちはやふる』『3月のライオン』にハマっていました。今では、夫は『少女漫画を侮っていた』と言って反省しています。

夫は漫画原作の映像化作品やSNSでの情報をチェックして、面白い漫画を常に探しています。夫の漫画に対する姿勢を見て、『世の中の漫画に対する見方は変わったな』と感じさせられます」

 電車の中で漫画を読むのはCさんいわく、「絶対できない」とのことです。

「さすがに、40歳の女性が電車で少女漫画を読んでいたら痛すぎると思うので…。『鬼滅の刃』のような、少年向けでメジャーな漫画なら読めるかもしれません。でも、私は自室でゆっくりと漫画の世界に浸りたいので、新刊を買ったときはどんなに待ち遠しくても、帰宅まで我慢します。

通勤時、スマホアプリで漫画を読むことは日常的にしています。ただ、特に好きな作品はどうしても紙の本で読みたいので、それは電車の中では読めませんね」

 今回、取り上げた漫画好きの3人は「世の中の漫画に対する考え方が変わってきた」ことをそれぞれ感じているようです。しかし、漫画への向き合い方は三者三様で「電車の中で漫画」についての考え方にそれがよく表れているように思えました。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

geetara610@gmail.com

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