オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

栄養バランスを考えた簡単「卵料理」レシピ集

さまざまな料理に欠かせない「卵」は、栄養のバランスにも優れた万能食材。ここでは、そんな卵の魅力を最大限に生かせる、簡単レシピの数々をご紹介します。

簡単に作れる卵料理のレシピをご紹介

栄養面から見た卵のメリット

 健康な毎日を過ごすために栄養バランスの取れた食事はとても大切ですが、どの食材にどのような栄養素が含まれているか、何が足りていないのかはなかなか分かりにくいもの。そこで、必要な栄養素をバランス良く含む万能食材「卵」を使えば、毎日の食事の栄養が高まります。今回は、栄養バランスの取れた簡単な卵料理のレシピについて料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きます。

 そもそも、栄養素から見た卵のメリットは以下の通りです。

【9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいる】

 体を作る重要な栄養素の一つにタンパク質があります。タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されますが、そのうち、体内で生成されない9種類の必須アミノ酸は食事から摂取する必要があります。卵には9種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれており、一般には栄養価が高いとされるものの、幾つかのアミノ酸が不足しているホウレンソウや大豆も、卵と一緒に調理することでアミノ酸をバランス良く摂取できます。

【ミネラルやビタミンも含まれている】 

 卵には、リンやカルシウムなどのミネラルやビタミンB12、B2、Dなど、ほかの食品からは摂取しにくい栄養素も含まれています。卵をプラスすれば、栄養バランスが格段に良くなるのです。

卵の混ぜ方と焼き方のポイント

 ここでは、卵の混ぜ方や焼き方など調理のポイントをご紹介します。

【切るように混ぜる】 

 卵は調理の直前に割って溶きほぐします。卵白と卵黄をうまく混ぜるには、混ぜながら卵白を菜箸で摘み上げ、卵黄と分離させる動作を繰り返します。この、切るような動作を繰り返すことによってコシがなくなり、卵白がほぐれてよく混ざるようになります。

【料理に合わせて混ぜ方を変える】 

 しっかり混ぜてコシを切った卵を使うと、なめらかでムラのない料理に仕上がるため、薄焼き卵や茶碗蒸し、卵豆腐などに適しています。一方、ふっくらとした食感が欲しいオムレツや卵とじ料理の場合、菜箸の先を器の底から離さずに数回往復させる程度にとどめ、コシを切りすぎないようにするのがポイントです。

【焼き方のポイントを守る】 

 だし巻き卵や目玉焼き、オムレツなど卵を焼いて作る料理は、その手軽さから朝食や弁当、酒の肴(さかな)などとして多く登場します。前述の通り、料理によって卵の混ぜ方を変えるほか、鍋を十分空焼きし、油をひいてしっかりとなじませるのが重要です。また火加減も要注意。目玉焼きは弱火がベストですが、それ以外は中火以上が基本です。

簡単卵料理レシピ【小松菜と卵のソテー】

 ここでは、朝食の一品にもできる簡単スピードレシピをご紹介します。

【小松菜と卵のソテー】 

 いつものスクランブルエッグに、小松菜とシメジを足しただけの手軽な一品。油をバターに変えると風味がアップします。

【材料(2人分)】 

・小松菜…100グラム

・シメジ…半パック

・卵…2個

・しょう油…少々

・塩コショウ…少々

・油…小さじ2

【作り方】

1.小松菜は熱湯でさっとゆでて冷水に取り、水気を絞って3センチ幅に切ります。

2.卵は粗くときほぐし、塩コショウを混ぜます。

3.シメジは房を小分けしておきます。

4.フライパンに半量の油を熱し、小松菜をとシメジを炒め、しょう油と塩コショウで味を整えてから取り出します。

5.残りの油を熱して卵液を流し入れ、ざっくりと混ぜます。小松菜とシメジを戻して合わせ、卵が半熟のうちに取り出して器に盛ります。

簡単卵料理レシピ【卵とホウレンソウのココット】

 忙しい朝にぴったりのお手軽メニュー。栄養バランスも取れた一品です。

【材料(2人分)】

・卵…2個

・ホウレンソウ…80グラム

・ちりめんじゃこ…少々

・バター…小さじ1

・粉チーズ(またはピザチーズ)…少々

・塩…少々

【作り方】

1.ホウレンソウは熱湯でさっとゆでてすぐに冷水に取り、水気を絞って3センチ幅に切ります。

2.耐熱のココット皿(2個)にバターを塗り、1人分ずつのホウレンソウを入れ、ちりめんじゃこを振りかけます。

3.卵を1個ずつ割り入れ、粉チーズ、またはピザチーズをトッピングして、オーブントースターで5分ほど焼きます。卵が半熟状態になるのができ上がりの目安です。

簡単卵料理レシピ【半熟卵添え野菜サラダ】

 野菜サラダはダイエットに良いとされていますが、タンパク質が不足しがち。そこで、卵を加えることでタンパク質とミネラルを同時に摂取でき、栄養をしっかりと補えます。ゆで卵は完熟でももちろんオーケーですが、半熟卵はシーザードレッシングによく合い、野菜ともなじみやすいのでオススメです。

【材料(2人分)】

・卵…2個

・葉もの野菜(レタス、ベビーリーフなど)…60グラム

・好みの野菜(トマト、キュウリなど)…適量

・シーザーサラダドレッシング…適量

【作り方】

1.半熟卵を用意します。鍋に湯を沸かし、沸騰したらお玉を使って卵を入れます。6分で取り出し、冷水にとって3分置いてから殻をむきます。

2.レタスやベビーリーフなどの葉もの野菜を適当に切り、氷水でシャキッとさせます。

3.トマトやキュウリなどを混ぜて器に盛り、でき上がった半熟卵を添えます。

4.シーザーサラダドレッシングをかけます。

簡単で豪華な卵料理レシピ【ロコモコ丼】

 普段のメニューに卵を加えてアレンジする、豪華に見えて栄養バランスも良い簡単レシピです。

【ロコモコ丼】

 見た目も鮮やかなボリュームのある一品。マッシュポテトやオニオンフライをのせるなど自由にアレンジできます。

【材料(2人分)】

・(A)合いびき肉…250グラム

・(A)塩コショウ…小さじ1/2

・(A)ナツメグ…少々

・(A)パン粉…大さじ3

・(A)牛乳…大さじ2

・(A)タマネギ(みじん切り)…1/4個分

・(A)溶き卵…1/2個分

・卵…2個

・ご飯…2杯

・レタス(細切り)…1枚分

・アボカド…半分

・トマト…1/2個

・(B)赤ワイン…50cc

・(B)水…100cc

・(B)顆粒コンソメ…小さじ1

・(B)塩…小さじ1/2

・(B)しょう油…小さじ2

・(B)コショウ…少々

・(B)バター…10グラム

【作り方】

1.(A)の材料で、いつも通りハンバーグを作ります。

2.ハンバーグを焼いたフライパンの肉汁に(B)の材料を加え、煮詰めてアルコール分を飛ばし、グレービーソースを作ります。

3.別のフライパンで目玉焼きを作ります。水を入れてフタをし半熟状態に仕上げます。

4.器に温かいご飯を盛り、その上にハンバーグと半熟目玉焼き、レタスの細切り、スライスしたアボカドとトマトを並べ、グレービーソースをかけます。

簡単で豪華な卵料理レシピ【ホウレンソウとベーコンのキッシュ】

 フランス料理に出てきそうな一品ですが実は簡単。冷凍のパイシートを使ってオーブンで焼き上げれば、より豪華に仕上がります。

【材料(2人分)】

・ホウレンソウ…1/2束

・ベーコン…4枚

・タマネギ…1/4個

・塩コショウ…少々

・(A)コンソメ顆粒…小さじ1

・(A)溶き卵…2個分

・(A)生クリーム…1/2カップ

・(A)牛乳…1/4カップ

・(A)粉チーズ…大さじ2

・(A)ナツメグ…少々

・(A)コショウ…少々

【作り方】 

1.ベーコンは1センチ幅の細切り、ホウレンソウは3センチ、タマネギは薄切りにしておきます。

2.フライパンに油かバターを熱し、ベーコン、タマネギ、ホウレンソウの順に炒め、塩コショウで味を整えます。

3.(A)の材料を合わせて卵液を作ります。

4.平たい耐熱容器に「2」を敷き詰め、「3」の卵液を流し入れます。

5.オーブントースターで15分ほど焼き、卵液が固まったら取り出して切り分けます。

簡単で豪華な卵料理レシピ【豚肉のピカタ】

 ポークソテーに卵の衣をまとわせるとボリュームが出るだけでなく、卵に含まれるアミノ酸で元気が出る一品に。インゲンやニンジンのグラッセなどビタミンとなる野菜を添えて栄養バランスを整えましょう。

【材料(2人分)】

・豚ロース肉…2枚

・塩コショウ…少々

・小麦粉…適量

・卵…1個

・パルメザンチーズ…大さじ1

・添え野菜…適量

【作り方】

1.豚肉に塩コショウをして下味をつけ、小麦粉をまぶします。

2.卵とパルメザンチ-ズ、あればハーブなどをしっかり混ぜて卵液を作ります。

3.フライパンを熱して油を入れ、卵液にくぐらせた豚肉をソテーします。弱火~中火で焦げないよう、フタをして中まで火を通します。

卵たっぷりの卵料理レシピ【カニ玉】

 卵をたくさん使って作るメニューを紹介します。卵の栄養をしっかり取りたい時や、余った卵を消費したい時にオススメです。

【カニ玉】

 シイタケの千切りやキクラゲ、タケノコの千切りを加えると食感が良くなり、栄養バランスもさらにアップします。

【材料(2人分)】

・卵…4個

・長ネギ…1本

・カニの身(またはカニ缶)…160グラム

・酒…大さじ3

・塩…小さじ3/4

・コショウ…少々

・(A)鶏ガラスープ…1/2カップ

・(A)酒…大さじ2

・(A)砂糖…大さじ1と1/2

・(A)しょう油…大さじ1

・(A)酢…大さじ1と1/2

・水溶き片栗粉…小さじ2の片栗粉を大さじ1の水で溶いておきます。

・ゴマ油…小さじ1

【作り方】

1.長ネギは小口切りにします。カニの身、またはカニ缶は軟骨を取り除いておきます。

2.フライパンに油を入れて熱し、長ネギとカニの身をさっと炒め、酒、塩、コショウで味を整えます。

3.ボウルに卵4個を溶きほぐし「2」を加えます。

4.(A)を混ぜ合わせてあんを作っておきます。

5.きれいにしたフライパンに油を入れて熱し、「3」の卵液を流し入れてざっくりと混ぜます。

6.全体が半熟になったらヘラで形を整え、弱火で4~5分焼きます。裏返して中火で1~2分焼き、皿に取り出します。半熟で取り出すのがポイントです。

7.空いたフライパンに(A)をすべて入れて煮立たせ、水溶き片栗粉を加えてひと煮し、あんを作ります。最後にゴマ油を入れて香りをつけ、皿に盛り付けた卵にかけます。

卵たっぷりの卵料理レシピ【絶品煮卵】

 煮卵は分量を自由に増減できる上、日持ちするので卵がたくさんある時に作り置きしておくと便利です。豚バラと大根の煮物や、がんもどきとニンジンの煮物などに合わせると、手軽に栄養が取れる一品に。

【材料(6個分)】

・卵…6個

・かつお節…30グラム

・しょう油…100ミリリットル

・酒…200ミリリットル

・みりん…大さじ3

【作り方】

1.鍋に水3リットル(分量外)を沸騰させて冷たい卵を入れ、7分ゆでて半熟卵を作ります。ゆで上がった卵はすぐに冷水にとって冷まし、殻をむきます。

2.別の鍋にしょう油、酒、みりんを入れて煮立たせます。かつお節を入れたら弱火にし、2分待って火を止めます。

3.保存容器またはジッパー袋に、かつお節を取り除いた「2」のつゆと「1」の半熟卵をつけ、冷めるのを待ちます。

4.冷めたら冷蔵庫に入れて保存します。

卵たっぷりの卵料理レシピ【ジャーマンオムレツ】

 カニ玉同様、裏返すのが難しい場合は1人分ずつ調理すると簡単です。マヨネーズやケチャップ、トマトソースなどがよく合います。

【材料(2人分)】

・ジャガイモ…2個

・ソーセージ…7本

・卵…4個

・牛乳(または生クリーム)…50cc

・サラダ油…大さじ1

・タマネギ(みじん切り)…1/4個分

・ピーマン…1個

・ケチャップ…大さじ2

・ウスターソース…小さじ1

・しょう油…小さじ1

・塩…少々

・黒コショウ…適量

【作り方】

1.ジャガイモは皮つきで丸ごとゆで、柔らかくなったら取り出して皮をむき、1センチのさいの目に切ります(電子レンジでも可)。

2.ソーセージは小口切りに、タマネギはみじん切りにします。ピーマンはヘタと種を取って1センチ角に切り、油をひいたフライパンで炒めます。ケチャップ、ウスターソース、しょう油、塩で調味します。

3.「1」と「2」を合わせます。

4.卵を割りほぐし、牛乳または生クリーム、塩、黒コショウを入れて混ぜ合わせ、「3」も加えます。

5.きれいなフライパンにバターを熱し、「4」を一気に流し入れ、フタをして弱火で10分ほど火を通します。

6.フライパンのフタにスライドして乗せて裏返し、さらに10分ほど焦がさないように焼きます。

7.大きな皿に取り、切り分けます。

「卵の力で栄養バランスアップ」

「朝食や弁当、丼など、卵はあらゆる場面で活躍します。どんな食材にも合わせやすく、高い栄養価を持つ卵の力で栄養バランスの取れた食生活を目指しましょう」(関口さん)

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)

料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。

■オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/
■YouTubeチャンネル「管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン」(https://www.youtube.com/channel/UC6cZRYwUPyvoeOOb0dqrAug

コメント