どっちか分からない…「産後うつ」「マタニティーブルー」は何が違う? 症状やケアを解説
どんなケアが必要?
Q.産後うつ病やマタニティーブルーの発症を防ぐために、本人または周囲にできることとは。
尾西さん「まず、産後の無理は禁物です。何でも完璧に!などとは思わないで、夫(パパ)や両親など周囲の人に育児や家事を手伝ってもらいましょう。夜中のおむつ替えはパパに頼んだり、昼間、少し誰かに赤ちゃんを任せてお昼寝をしたりと、心身の疲れを少しでも取るようにしましょう。
パパや両親はママが自分から言い出しにくいかもしれないので、『○○しようか?』と手伝えることを提案してみてください。産後1年以内の引っ越しや転職など、大きなライフイベントも極力控えましょう。
また、話を聞いてもらえる誰かに相談することも大切です。身近にいなければ、1カ月/3カ月/6カ月検診などのときに、助産師や医師に相談するのもよいと思います。自治体によっては、子育てに悩む親のために産後、家庭を訪問して相談に乗ってくれる『赤ちゃん訪問』というサービスを行っているところもあるので、相談してみてもいいですね」
Q.現在、産後うつ病やマタニティーブルーに悩む女性やその周囲の人々に対し、産婦人科医としてのアドバイスをお願いします。
尾西さん「“母親”としての責任や慣れない育児に、大変な毎日だと思います。産婦人科医の私も、1人目の産後は『こんなはずじゃなかった、こんなこと誰も教えてくれなかった…』ということが山ほどあり、責任が重過ぎて、子どものことを手放しでかわいいと思えないこともありました。
でも、ママだって人間です。全部をママが背負って、子どもにささげる必要はないのです。ママ自身の心や体、時間を大切にすることで、赤ちゃんへの愛情も深まります。そのため、積極的に周囲の人を頼ったり、相談したりしてみましょう。1人でだめなら、また別の誰かに頼ってください。きっと、あなたの気持ちを受け止めてくれる誰かが見つかります。
現在は特に、新型コロナウイルスの影響もあり、1人で家にこもってしまったり頑張り過ぎたりしがちですが、そうすると、さらに悪化してしまうので、ゆったりした気持ちで過ごすようにしましょう」
(オトナンサー編集部)
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