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自販機からジュースが2本…持ち帰ったら犯罪になる?

自動販売機でジュースを1本買ったはずが、運よく2本出てきたご経験、おありではないでしょうか。この2本目を持ち去ってしまうと、犯罪になるのでしょうか――。

自販機からジュースが2本出てきたら…

 法律の専門家である弁護士が、私たちの暮らしに身近な事象についてわかりやすく解説します。今回のテーマは「2本出てきた缶ジュースを持ち帰ると犯罪になるのか」、取材に応じてくれたのはアディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士です。

「小学校低学年の頃、自販機でジュースを買ったら運よく2本出てきて、友だちと大喜びで帰った思い出があります。今になって『もしかして犯罪だったのでは』と思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか」

取り出し口でも、営業主の管理下

Q.窃盗罪になる可能性はありますか。

岩沙さん「窃盗罪は、他人が占有(管理)する財物を占有者の意思に反して持ち去ることで成立します。自販機のジュースは営業主が占有(管理)しているものですから、営業主の意思に反する持ち出しであれば、窃盗罪が成立します。2本のうち、料金が支払われたジュースは、料金の対価として営業主から提供されたジュースであり、問題ありません。しかし、料金を支払っていないジュースについては、営業主は当然提供するつもりはありません。取り出し口とはいえ自販機の中にあり、いまだに営業主の管理下にあるジュースを持ち出す行為は、明らかに営業主の意思に反しており、窃盗罪が成立します」

Q.2本出てきたのではなく、前の人の取り忘れの場合はどうなりますか。

岩沙さん「この場合も窃盗罪が成立すると思われます。たとえば、前の人がわずか1分前にジュースを購入し、自販機からわずか10メートルの距離にいるなど、時間的・場所的に接着しているような場合、取り忘れたジュースにはいまだにその人の占有が及んでおり、ジュースを持ち去ると窃盗罪になると思われます。一方、前の人が時間的・場所的に遠く離れてしまった場合は、前の人の占有が及んでいるとは言えません。しかし、その場合でも自販機の中にある以上、営業主の占有下にあると考えるのが自然でしょう。その結果、自販機からの持ち出しは窃盗罪になると思われます」

岩沙さん「もっとも、占有離脱物横領罪と窃盗罪の境界線はとても微妙で、上記のような事例でも、占有離脱物横領罪となる可能性があります。有名な裁判例でも、公衆電話内に忘れられた硬貨や、旅館のトイレに忘れられた財布の持ち出しが窃盗罪になる一方、電車の網棚に置かれた忘れ物の持ち出しが占有離脱物横領罪になったケースもあります」

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岩沙好幸(いわさ・よしゆき)

弁護士

東京弁護士会所属。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。パワハラ、不当解雇、残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。近著に「ブラック企業に倍返しだ!弁護士が教える正しい闘い方」(ファミマドットコム)。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」(http://ameblo.jp/yoshiyuki-iwasa/)も更新中。頼れる労働トラブル解決なら<http://www.adire-roudou.jp/>。