吉野家HD株が9年ぶり高値、その背景にあるものとは
吉野家などを運営する吉野家ホールディングスの株価が、約9年ぶりの高値をつけたことが話題です。専門家はその背景として、吉野家の好調ぶりを指摘しています。
牛丼チェーンの吉野家や、はなまるうどんなどを運営する吉野家ホールディングス(HD)の株価が4月20日に一時、1788円(終値1786円)と約9年ぶりの高値をつけました。
その要因には、同社が11日に発表した2017年2月期連結決算で、最終利益が前期比約49%増の12億円となったこと、2018年2月期の最終利益を前期比約68%増の21億円と見込んでいることがあるようです。
外食産業の経営戦略に詳しい、いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員はこれらの背景として、吉野家の好調ぶりを指摘します。
牛肉の仕入れコストが低下
鮫島さんによると、2017年2月期、営業利益が10%近く減少したはなまるうどんや京樽に対し、吉野家は50%近くも増加しており、その要因としては、牛肉の仕入れコスト低下が挙げられるそうです。
吉野家はこれまで、価格が高い時期に仕入れた牛肉の在庫を抱えており、原価率が競合他社より高くなっていた時期があったといいますが、「今期はそれが解消したのではないでしょうか」(鮫島さん)。
また、吉野家は競合他社に比べて、牛肉の仕入れに関する契約を長期間にわたって固定価格で行う傾向があるため、2018年2月期以降も、他社以上に原価率低下のメリットを受けやすい可能性があるそうです。
さらに、2018年2月期の経営計画で、新商品を投入するサイクルを3カ月から1カ月半に変えることは、「商品のマンネリ化を防ぐ、評価できる戦略」(鮫島さん)であり、原価率低下と合わせて業績への寄与が期待できるといいます。
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