オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

券売機じゃダメ? 飲食店などで「セミセルフレジ」導入、そのメリットとは?

「セミセルフレジ」を見掛けることが増えましたが、戸惑う客もいるようです。「いっそのこと、券売機にしては?」という疑問について、牛丼チェーンの運営会社に聞きました。

セミセルフレジの利点とは?
セミセルフレジの利点とは?

 飲食店やスーパーで「セミセルフレジ」を見掛けることが増えました。飲食物の注文受け付けや商品バーコードのスキャンは店員が担当し、代金の支払いは客が精算機で対応というパターンが多いようですが、精算機の使い方に戸惑う客もいるようで、「途中まで店員が対応してくれるなら、精算までやってくれればいいのに」という人がいれば、逆に飲食店では「いっそのこと、券売機にした方が効率的なのでは?」という声もあります。

 セミセルフレジの利点はどういうところなのでしょうか。大半の店でセミセルフレジを導入している牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(東京都港区)の担当者に聞きました。

メニュー選びを楽しんでほしい

Q.「すき家」へのセミセルフレジの導入時期と直近の導入店舗数、全店に占める割合を教えてください。

担当者「すき家では2017年から、セミセルフレジを導入しました。現在、導入可能な店舗にはほぼすべて設置しています。すき家は11月30日時点で1940店を展開していますが、そのうち、1661店にセミセルフレジを導入しています。導入していないのは、商業施設内のフードコートのような、個別対応ができない店舗です」

Q.なぜ、セミセルフレジを導入したのでしょうか。

担当者「一番の目的は、お客さまに対する接客サービスの時間を増やすためです。従来は、レジにメニューと金額を入力して、お金を受け取り、お釣りとレシートを渡すところまでを従業員が担っていたので、1人1台でしか対応できませんでした。そこで、お金を入れるところだけお客さまにお願いすることで、従業員1人が2台を扱えます。レジにかかる時間を短くして、その分、ほかのお客さまへの対応などサービスを充実させることができます」

Q.導入の効果は。

担当者「先ほどの話とかぶる部分もありますが、従業員1人がレジ2台を扱えるので、お客さまをお待たせすることが少なくなり、レジの対応をしながら、お持ち帰りの品を渡すといったこともできるようになりました」

Q.客の声はいかがでしょうか。「いっそのこと、券売機の方がいいのでは?」という声もネット上などにあります。

担当者「お客さま窓口に聞いてみましたが、『券売機の方がいい』という声は特にないようです」

Q.券売機の方が、より効率的ではないのでしょうか。

担当者「確かに効率的かもしれません。実は、券売機については実験的に導入してみたことがあります。10年ほど前のことですが、これを全店に広げようという動きはありません。理由としては、すき家がファミリー層のお客さま向けの商品も出しており、幅広い年齢層に来店していただきたいという思いがあるからです。

例えば、ラーメン店などで券売機方式の場合、後ろに次のお客さんが並ぶとプレッシャーを感じることがありますよね。私どもとしては、家族で来店して、メニューを皆さんで見て、『どれにしようか』といったやりとりを楽しんでいただきたいのです。また、すき家のメニューはトッピングの種類が多く、選ぶ楽しさを感じていただきたいという思いもあります。

そのため、ゆっくりメニューが選べる環境づくり、店舗づくりをしています。また、追加注文がしやすいようにという面もあります。券売機だと追加注文がしづらいと思います。すき家では、客席にタブレットを導入した店が半数を超えており、追加注文もしやすくなっています」

Q.では、券売機方式を導入する予定はないということでしょうか。

担当者「今のところ、ありません」

(オトナンサー編集部)

コメント