人気高まる「ワイン」 赤は常温、白は冷やしては本当? おせちに合うものは?
赤ワインは常温、白ワインは冷やして飲むのがよいとされていますが、本当にそうなのでしょうか。

欧州産の関税撤廃や国産の品質向上などにより、「ワイン」人気が高まっています。この年末年始にワインを楽しむ方も多いと思いますが、飲み方や保存について悩むケースも想定されます。ワインは一般的に、「赤は常温で、白は冷やして飲む」とされていますが正しいのでしょうか。また、おせち料理やすしには、どんなワインが合うのでしょうか。ワインの飲み方や保存方法などを、キリンホールディングス(東京都中野区)グループ「メルシャン」の広報担当者に聞きました。
軽口の赤は少し冷やすのがコツ
Q.ワインを飲む際、赤は常温で、白ワインは冷やして飲むのが最適とされていますが、本当でしょうか。また、各ワインを飲む際の最適な温度は。
担当者「赤ワイン、白ワイン、ロゼワインとも、ワインのタイプによって最適な温度があります。
例えば、赤ワインのフルボディ(重口)は、冷やし過ぎるとタンニンからくる渋味が強調され、ワイン本来の味わいを感じにくくなります。温度が高いほど渋味がまろやかに感じられるため、常温に近い温度(15~18度)がよいとされています。ライトボディ(軽口)は、10~14度を目安に少し冷やすと口当たりが良く、引き締まった味わいになります。
白ワインですが、温度が高いほど香りが豊かに、甘口に関しては、温度が低いほど甘味がさっぱりと感じられます。ただ、冷やし過ぎるとワイン本来の味わいを感じにくくなるので注意が必要です。甘口は5~8度、辛口は7~14度を目安に冷やしてみてください。
ロゼワインは7~14度を目安に冷やしてください。辛口のものは冷やすとすっきりした味わいになり、甘口のものはより冷やした方が甘みが残り過ぎず、おいしく感じられます」
Q.ワインを効果的に冷やす方法はありますか。
担当者「氷水で冷やしていただくのが一番早いと思います。また、氷を入れたグラスにワインを注ぐ『ロックワイン』もカジュアルに楽しんでいただける飲み方だと思います」
Q.ワインをグラスに注ぐ際、グラスを持ち上げてから注いだ方がよいのでしょうか。それとも、テーブルに置いた状態がよいのでしょうか。
担当者「ワイングラスは手に持たず、テーブルに置いたままで注いでください。ワインは、グラス越しの手のぬくもりで味や香りが変わってしまうことがあり、風味を損ねる可能性もあります」
Q.年末年始は肉料理やすし、おせちなどを食べる機会があります。料理に応じたおすすめのワインはありますか。
担当者「ワインと料理の組み合わせには、次の4つのポイントがあります。
【色を合わせる】
素材そのものを味わうような、比較的シンプルな料理の場合、『メイン食材の色』と『ワインの色』を合わせるのがコツです。例えば、赤ワインなら赤身の牛肉、白ワインなら白身の鶏肉や魚、ロゼワインならピンク色のサーモンというように、同じ色の素材を持ってくるだけで、ワインと普段の家庭料理がすんなり合います。
【『香り』『風味』を合わせる】
『ハーブの爽やかな香り』『イチゴみたいな甘くフルーティーな香り』『コショウのようなスパイシーな香り』『みずみずしいかんきつ系の風味』など、ワインの持つ独特の香りや風味と同じような『香り』『風味』を持つ料理を重ね合わせると、ワインの味わいがより深く、何層にも膨らんで感じられます。
【足りないものを補い合う】
料理にない味わいを、ワインが持つ味わいで補うという考え方です。例えば、生がきにレモンを搾るような感覚で、酸味のしっかりある白ワインを添えてみるとか、脂っぽい牛肉の料理であれば、脂っぽさをリセットしてくれる渋味(タンニン)を持った赤ワインを合わせてみるという具合です。
【『こってり感』と合わせる】
例えば、同じ鶏肉料理でも、塩やハーブだけで焼いたものと、焼いた上にクリームソースやグレービーソース(肉汁をもとに作られるソース)をかけたものとでは、お料理全体の重さ、つまり、『こってり感』が違います。料理の重さに合わせてワインを選ぶとよいでしょう。さっぱりと仕上げた料理には軽いワイン、こってりと仕上げた料理には重たいワインが相性抜群です」
Q.近年、日本ワインの人気が高まりつつありますが、日本ワインに最適な料理はありますか。
担当者「『甲州』『マスカット・ベーリーA』のような日本固有品種が使われた日本ワインは、醸造家が日本の食事に合うように考えて造っていると思います。ぜひ、おせち料理に合わせていただきたいです。繊細な味わいが特徴の『甲州』は、お刺し身やおすし、天ぷら、だしの効いたお料理によく合います。焼き物、煮物といった甘辛味のお料理は、『マスカット・べーリーA』の甘やかな香りとやさしいタンニンとの相性がとてもよいと思います」
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