断捨離が普及する一方…「収納サービス」市場活況はなぜ? トランクルームは有効?
不要な物を処分する「断捨離」が定着した一方で、トランクルームに代表される収納サービスの市場が拡大しています。なぜなのでしょうか。
12月が近づき、大掃除のことが気になる時季です。近年は身の回りの物を多く処分する「断捨離」が定着してきましたが、一方で、物を倉庫に預ける「トランクルーム」に代表される収納サービスの市場も右肩上がりで伸び続け、都市部を中心にトランクルームが増えています。断捨離に取り組む人が増える一方で、収納サービスの利用者も増えるのはなぜなのでしょうか。サービスの提供会社と専門家に聞きました。
市場規模は2008年の2.5倍に
トランクルームを運営するキュラーズ(東京都品川区)マーケティング部の担当者に聞きました。
Q.トランクルームの市場規模は。
担当者「2018年の市場規模は、2008年比2.5倍増の590億円です。今後も成長する可能性があり、2025年には1000億円を突破すると予測しています」
Q.なぜ、市場が拡大しているのでしょうか。
担当者「首都圏を中心に住宅の居住面積が減少していることが原因です。住宅を建てる際、部屋の広さを確保するために収納スペースを削るケースもあり、自宅に置ききれない物を預ける形で利用されています。また、災害などの非常時に備えて大切な物を収納するケースも見られるようになりました。災害が頻発していることから、今後はそうした目的で利用されるケースも増えるのではないでしょうか」
Q.2010年ごろから、断捨離が注目され、あまり物を持たずに生活する人が増えている印象がありますが、そうした中でトランクルームの需要は増えているのでしょうか。
担当者「断捨離をする人でも使うことがあります。例えば、本当に不用品なのかを判断するため一時的にトランクルームを利用するケースもあります。不用品は常に発生しますから、収納サービスの需要は減らないと思います」
Q.毎月の利用料は。
担当者「一番最小のBOXタイプ(ミカン箱程度の段ボール箱6箱分のサイズ)と呼ばれるスペースは、月額3000円程度から利用できます。施設の立地によって料金は異なります」
Q.主な利用者層は。また、どのような物が預けられているのでしょうか。
担当者「学生からファミリー層、高齢者層まで幅広い世代の人が利用されていますが、最近増えているのは、30代のファミリー層の人たちです。子どもが生まれたなど、家族構成が変わるタイミングで利用されるケースが多いです。衣類や家具、電子機器、思い出の品、本、貴重なコレクションなどがよく預けられます。このほか、大学生がサークル活動に使う荷物を預けたり、老人ホームに入居する予定の高齢者が自宅にあった荷物を預けることもあります」
Q.さまざまな企業が収納サービスに参入していますが、その中で御社のサービスの強みは。
担当者「当社が運営する施設では、収納コンシェルジュと呼ばれるスタッフが常駐しています。施設内の温度、湿度の適正な管理やセキュリティーチェック、収納に関する、お客さまからのご相談に対応している点などで評価いただいております」
コメント