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シルバーウイークに家をすっきり! 片付けのコツを専門家に聞く

「シルバーウイーク」のまとまった時間を使って家の整理をするとしたら、どういった点に重点を置き、どんな点に気を付けて片付けるとよいのでしょうか。

シルバーウイークを使った片付けのコツは?
シルバーウイークを使った片付けのコツは?

 9月は、19日が「敬老の日」、23日が「秋分の日」と、2つの祝日が同じ週に並び、土曜が休みの人はカレンダー通りでも3連休が2回、有給休暇を3日取れば、最大9連休も可能となります。「シルバーウイーク」とも呼ばれるこの期間に、旅行などを考えている人も多いかと思いますが、まとまった時間を使って家の整理をするとしたら、どういった点に重点を置き、どんな点に気を付けて片付けるとよいのでしょうか。収納アドバイザーの岩佐弥生さんに聞きました。

整理の目的を明確に

Q.9月中旬から下旬の時期は、家や部屋の整理整頓をするのに適しているのでしょうか。

岩佐さん「9月はシルバーウイークがありますね。仕事や学校などがある日は忙しく、なかなか時間をつくるのが難しいという人も多いと思います。時間に余裕があってゆっくりと休める連休は、整理収納もじっくりと腰を据えて取り組むことができるので、この時期は整理収納に適しているといえるでしょう」

Q.ほとんどの人が3連休は取れる、という想定で、どういった点に重点を置いて整理をすればよいか、教えてください。

岩佐さん「家族共有で使う物の整理は、家族に一つ一つ、『いる/いらない』を尋ねたり、意見を聞いたりする時間も必要になり、ハードルもやや高めです。一方、自分だけが使っている物の整理は、そのような時間の必要がなく進めることができます。自分の衣類や下着、財布やバッグの中、化粧品、仕事で使う物、本など私物の整理の方が、集中して取り組みやすいです。

また、9月~10月は、冬服への衣替えの目安になりますので、シルバーウイーク中の衣替えもおすすめです。ただ、雨の日が多い時期でもありますので、天気を確認しながら晴れの日に衣替えをしましょう。

自身の経験上、整理収納は『成功体験』が大事だと思っています。連休で時間があるからといって、自ら難しい物や場所に取り組んでいくのではなく、取り組みやすい場所やアイテムから実践をして、成功体験をたくさん増やすことで、『自分にもできる!』という自信が生まれると、次の整理につながっていくでしょう」

Q.3連休を使った整理として、どんな点に注意すればよいでしょうか。

岩佐さん「3点、ポイントを挙げます。

(1)整理収納は、あちらこちらと手をつけない
特に、整理収納に慣れていない人は、連休だからと、あの場所もこの場所もと一度に手をつけないのがおすすめです。整理の際は、物を全て出してから整理をしていきますので、あちらこちらと同時に物を出していくと、余計に散らかりを感じやすく、やる気がなくなり、中途半端な状態で連休中の整理収納が終わってしまう可能性があります。そこで、一つの場所が終わってから次の場所に取りかかるようにしていくとよいでしょう。

(2)最初に収納用品の購入はNG
部屋が散らかっているからと、『まずは収納用品を買いにいこう』は、ちょっと待った!です。なぜなら、現状に合わせた収納用品を買うと、使っていない物も一緒にまとめることになるからです。使っていない物、使わない物を取り除いてから、必要であれば新たな収納用品を買って、便利に使いましょう。

(3)連休でどこをすっきりさせるかを明確に
ただ何となく目に留まった場所の整理をダラダラとするのではなく、例えば、『連休明けに仕事や学校で使う物を使いやすくさせたい』などと、整理をする目的を明確にして取り組んでいくとよいでしょう。

以上のような点を心掛けてください」

Q.3連休が2回あり、最大6日の休みがあります。その期間を使って、家や部屋の整理をするとしたら、どういった点に重点を置いたらよいでしょうか。

岩佐さん「最大6日間の休みがありますが、気負い過ぎは禁物です。整理は物一つずつについて、『使っている/いない』で分けていくのが基本になりますので、毎日長時間整理をしていると、頭も疲れてしまいます。

ダラダラと時間をかけて整理収納するよりも、短期集中がおすすめです。整理収納する場所、日程を決めて、時間も、例えば午前中だけとメリハリをつけて取り組むと、午後はお出かけや別の目的に使うことができ、充実した休日を過ごせるでしょう。

もしも、家の中に使っていない物がたくさんありすぎて、まずはそれらから処分しなければ始まらないという場合は、大きな物や、整理の際に悩まない物(いわゆるゴミ)を処分するなどと決めることで、短時間でもメリハリをつけて整理に取り組むことができますよ」

Q.シルバーウイークを使って片付けをした後、仕事や学校が始まっても、きれいな状態が長続きするコツを教えてください。

岩佐さん「きれいな状態が続くお宅と、すぐ散らかってしまうお宅には大きな違いがあります。すぐ散らかってしまうお宅は、物の置き場所が決まっていないことに加え、『片付けのタイミングが遅い傾向』があります。

散らかりにくいお宅は、物の置き場所も決まっており、物を使ったらすぐに元に戻します。ポイントは、『片付けを後回しにしないこと』。旅行帰りや買い物帰りの荷物も、腰を落ち着かせる前の、体が動いているうちに片付けるよう意識を変えていくのがおすすめです。

もう一つ、普段私が行っているのが、『ながら片付け』です。トイレ、お風呂、外出など、日々私たちが行っている行動があります。片づけが苦手な人は“片づけのためだけに動くのが面倒”なので、例えば、トイレに行くついでに、その動線上にある物をついでに戻す、お風呂に入るついでに、脱いだ服を洗濯機に持っていく、出かける前の玄関の靴をげた箱に入れるなど、必ずしている行為のついでに物を片付けると、やらされている感がなく、これまでよりも、散らかりのスピードが遅くなります」

(オトナンサー編集部)

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岩佐弥生(いわさ・やよい)

整理収納コンサルタント

キッチンショールームでの収納コーディネート、企業の収納コンサルタントなど、幅広く活動中。また、喋(しゃべ)り手ならではの聞きやすく分かりやすい収納セミナーが好評。オリジナル収納ラベルのショップもプロデュースしている。保有資格は、整理収納アドバイザー2級認定講師、整理収納アドバイザー1級、企業内整理収納マネージャー認定講師。iGuild(アイギルド)(https://www.iwasayayoi.com/)。

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