包装紙やショップ袋が捨てられない…気付けば増えている「紙もの」、整理&保管のコツ、収納のプロに聞いた
気付けば大量に増えている、レシートや明細書、包装紙やショップの紙袋といった「紙もの」類。上手に管理するコツや必要な意識について、収納のプロが解説します。
日々の買い物で増えていくレシートや明細書、ついつい保管してしまう包装紙やショップの紙袋…こうした「紙もの」は、日常生活の中でどんどん増えていきがちです。「気付くと膨大な量になっていて、収拾がつかなくなる」ことも多く、捨てるタイミングや整理の方法に頭を抱えている人も少なくないようで、「取っておくと便利かも…と思って捨てられないショップ袋が大量にある」「プレゼントをもらったときの包装紙が増え過ぎて整理できない」といった声が聞かれます。
いつの間にか増えている、さまざまな「紙類」を上手に廃棄・整理・保管するためには、どんなコツや心掛けが必要なのでしょうか。収納アドバイザーの岩佐弥生さんに聞きました。
家の中の「紙類」は3種類
Q.レシートや各種明細書、包装紙、ショップの紙袋といった紙類はなぜ増えやすく、大量にたまりやすいのでしょうか。
岩佐さん「一番に『いつか使うかもしれない』という気持ちが働きやすいからでしょう。また、保管期間のルールや保管場所が決まっていないことで、いろんな場所に置いてしまったり、どんどん増えたりすることも考えられます。『いつか使うかも?』で残すのではなく、『確定申告の際に必要だから』など、何のために、どの期間(紙袋ならどのくらいの量を)残すのかを明確にしておく必要があります」
Q.たまった紙類を捨てるのか、捨てずに保管するのか、どのように判断すればよいのでしょうか。
岩佐さん「家の中にはさまざまな紙類が存在しますが、大きく、『早く処分できる紙類』『保管期間を決めるべき紙類』『持つ量を決めるべき紙類』の3種類に分けられます」
【早く処分できる紙類】
ダイレクトメールやレシートなどが該当します。「後で」と考えず、全く必要のない紙は即処分、用が終わったらすぐに処分など、「捨て癖」をつけていきましょう。
【保管期間を決めるべき紙類】
契約関連や証書、医療費、公共料金の明細、学校のお便りなど、保管期間を決めておくべき紙類が当てはまります。保管期間は各家庭や書類によってさまざまです。保管期間に悩むものは、法律などで決められた保管期間をインターネットでも調べられるので、それを基準に持っておけば安心です。
【持つ量を決めるべき紙類】
紙袋や包装紙、雑誌、カタログなどが該当します。「持つ量やスペースを決めないとどんどん増えていく紙類」の代表選手です。これらの中には、紙のまま、アナログで保管した方がよいものと、デジタル化してもよいものとがあるので、整理の機会にルールを決めてもよいでしょう。
Q.捨てずに取っておく紙類はどのように整理・保管すればよいですか。中には「整理が途中でおろそかになってしまい、結局散らかる」という人もいるようです。
岩佐さん「紙類の整理上手になるにはやはり、『ファイリング』が欠かせません。書類を分類すれば、探しやすく、廃棄しやすい流れをつくることができます。まずは『大分類』を決めることから始めましょう。
保管は『大分類』ごとに、A4サイズのファイルボックスに入れておくのが最もシンプルです。『大分類』ごとに該当する書類を分けたら、さらに探しやすくなるように、項目ごとに個別のフォルダーに分けて入れていきます。保管場所は分散させず、1カ所にまとめることで、『書類はここに行けば全て見つかる』ようになります。
ただ、家の契約書や証書などの書類は、大事なものですが使用頻度が低いため、別の場所に保管してもよいでしょう。
個別フォルダーに入れた書類を『年/月』などでさらに分けておくと、廃棄がしやすくなります。
ここでは、わが家の『大分類』の例をご紹介します。このように大きく分けると、だいたいの紙類はいずれかに当てはまりますし、ファイリングを継続して行いやすくなります」
【医療・病院】
医療費の領収書や健康診断書の保管期間は5年が目安といわれています。1年ごとにクリアファイルなどに入れて保管しましょう。
【お金】
明細書をまとめて保管しておくと、使用料の把握や引き落とされた金額の確認、前年度との比較ができます。公共料金の保管目安は水道料金が5年、ガス・電気が2年なので、期間が過ぎたら処分しましょう。ウェブ上で確認が可能な明細書は、徐々にペーパーレス化していくのもお勧めです。レシートは家計簿をつけているなら、記入が終わった時点で即処分します。返品の可能性がある物のレシートは、保管目安を1週間と考えておくとよいでしょう。
【取扱説明書】
全ての説明書をいったん集め、さらに「部屋別」で分けていくと見つけやすくなります。例えば、「リビング」にはテレビ・エアコン・掃除機など、「キッチン」には冷蔵庫・ガス台・オーブンなどです。
【仕事/勉強】
仕事で使う書類や資格関係のテキストなどを入れます。アメリカの「National Record Management Council」(通称:ナレムコ)の統計によると、実際に見る文書の99%が作成・収集されてから1年以内のものといわれています。つまり、1年以上前に作成された文書は100回に1回の割合でしか見ないというわけです。「とはいっても処分に迷う」という人は、情報を確認するためだけの保管なら、スキャンによるデータ化など紙で残さない方法が便利です。
【学校】
親が見るお便りや献立表など、紙として残しておかなくても大丈夫なものは、スマホのカメラなどで撮影し、管理アプリを活用するのも便利です。アナログで残したい人は、早い時期に処分できるお便りなら目に入る場所に貼り、用が済んだら処分するか、ファイルボックスと個別フォルダーを用意して、項目ごとに分けてラベルを貼り、探しやすくしておきましょう。
【重要契約書】
土地や建物の契約関係書類、証書などの重要書類をまとめて入れておきます。永久的に保管したい紙類をまとめておくことで、「整理の際に誤って処分してしまった」ということがなくなります。
【思い出】
頂いた手紙やはがき、年賀状などをまとめます。わが家では、年賀状の保管は2年間としています。手紙やはがきを多く頂く場合はすぐに増えるので、紙で残したいものを厳選し、他はスキャンしてデータ保存しておくというのも一つの方法です。
【暮らしの情報】
防災ブックや自治会、住民票など暮らしに関係する紙類です。情報が更新されるものは古いものと入れ替えます。
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