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両親と外食で気分悪く…「会食恐怖症」の50代女性、克服のために意識した3つのこと

会食での不安を軽減させるコツ

 そして、さらに「前向きな考え方を意識する」こともとても大切です。

 同じことが起きても、解釈はその人次第です。例えば、会食恐怖症の人が、苦手な会食に挑戦して気持ち悪くなってしまったとします。そのときに「気持ち悪くなったけど、苦手なことに挑戦できたからよし」と思うのか。それとも、「会食に行ったけど、気持ち悪くなったから最悪だ」と思うのか。どちらの考え方をするかで、その後の状態や、次の会食機会での心持ちも大きく違ってきます。

 不安という感情は「不安になってはいけない」と考えるほど、さらに強くなるものです。これは「眠れない夜」に似ています。眠れない夜に「早く寝なきゃ!」と思えば思うほど逆に目がさえてしまう一方、「今日はもう眠れなくていいや」と諦めると、いきなり眠くなる。そのような経験がある人も多いのではないでしょうか。「不安」もこれと同じと考えてもらうと、イメージしやすいと思います。

 この女性は会食恐怖症を克服するために、「『不安になってもいい』と思うようにすること」「その場の雰囲気やおしゃべりを楽しむこと」「人の話をじっくり聞くこと」を意識したそうです。

「不安になってもいい」と受け入れることで、不安が大きくなるのを防ぐことができます。また、会話に集中することで、注意のベクトルを食事以外に向けることができます。人は「自分がどう思われているか」と注意のベクトルを自分に向けていると、緊張しやすくなります。そのため、「会食のとき、会話に集中する」というのは、注意のベクトルが自分以外のものに向き、あまり緊張しにくくなるのでおすすめです。

 この女性は現在、自分のペースで会食を楽しんでおられます。よく、中高年以上の人から「会食恐怖症に長年悩んできたので、もう治らないのでは?」と相談を受けることがありますが、「治らない」という「前提」を持たないことが、まず大切だと思います。

(日本会食恐怖症克服支援協会 山口健太)

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山口健太(やまぐち・けんた)

一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事

人前で食事ができない「会食恐怖症」の当事者経験から、食べる相手やコミュニケーションの違いによって食欲が増減することを実感。既存の「食べない子」への対処法に疑問を感じ、カウンセラーとして活動を開始。「食べない子」が変わるコミュニケーションノウハウの第一人者として、延べ1000人以上の相談を受ける。「楽しく食べられる」ようになる道筋を理論的に分かりやすく明示することで「食べない子」の問題を解決しながら、「食べない子」の親の肩の荷がおり、心が楽になるメソッドが特徴。カウンセリングや講演活動を通して「食べない子」に悩むお母さんや学校・保育園の先生などにメッセージを伝えている。著書に「食べない子が変わる魔法の言葉」(辰巳出版)。

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