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コンビニ各社が「駅ナカ」出店を強化 鉄道会社はなぜ“商売敵”を後押しするのか

駅ナカコンビニで、電車内の風景も変化

Q.駅ナカにコンビニが出店するようになって、変わったことは。

渡辺さん「売店がコンビニに替わってから、女性も多く利用するようになりました。もともと、駅ナカの売店はJRグループのキヨスク(東日本はキオスク)などに見られるように、雑誌やスポーツ新聞、たばこの購入が主だったため、昔はほぼ男性しか利用していませんでした。ところが、コンビニが出店するようになってから、駅ナカで良質なおにぎりやパン、菓子などが買えるようになり、女性客も増加しています。

電車内の風景も変わりました。都内では最近、電車の中で食事をする女性を見かけるようになりました。これは、男性に比べ、女性は家事や化粧などに時間を取られて忙しく、通勤の合間におにぎりやパンなどを買って、短時間で食べようとする人が増えたためだと思います」

Q.駅ナカコンビニが増加していることについて、どう捉えていますか。

渡辺さん「質の高い商品が買えるようになった点はうれしいことです。ただ、どこへ行ってもセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンしかないという状況が生まれることも考えられ、商品の多様性がなくなってしまいます。例えば、新幹線駅の売店では、冷凍みかんなど、その店でしか取り扱いのない商品が売られています。

基本的に、コンビニでは売れる商品だけが残り、売れない商品はどんどん外されます。一方、駅の売店は、変わった商品でも置き続けることでそれなりに売れるようになるため、コンビニの論理では測りきれないものがあります。それは恐らく、駅が旅情を楽しむ非日常的な場所だからではないでしょうか。

面白い商品を見つける楽しさがなくなるのは、寂しいことです。特に新幹線駅の売店は、今後も非日常的な要素を残してほしいと思います」

(オトナンサー編集部)

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渡辺広明(わたなべ・ひろあき)

流通アナリスト、マーケティングアナリスト、コンビニジャーナリスト

1967年4月24日生まれ。浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業後、ローソン入社。22年勤務し、店長、スーパーバイザーを経てコンビニバイヤーを16年経験、約700品の商品開発を行う。同社退社後、pdc、TBCグループを経て、2019年3月、やらまいかマーケティング(https://www.yaramaikahw.com/)を設立。同時期に芸能事務所オスカープロモーションに移籍し、オフラインサロン「流通未来研究所」を開設。テレビ、ラジオなどで幅広く活動する。著書に「コンビニの傘はなぜ大きくなったのか」(グーテンブック)「コンビニが日本から消えたなら」(KKベストセラーズ)

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