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海外で死者も…実は恐ろしい「狂犬病」の感染経路と症状、かまれた際の対処法

渡航前のワクチン接種も有効

Q.狂犬病に感染することを防ぐため、海外旅行の際に気を付けるべきことはありますか。

増田さん「狂犬病が存在する地域では、むやみに動物に触らないことが重要です。動物に触れる可能性がある場合や、医療機関を受診することが難しい場合は、渡航前に狂犬病ワクチンの接種を行っておくことが推奨されます。このワクチン接種は、決められた方法で接種を行う必要があるため、事前に、計画的に接種を行う必要があります。

渡航前の狂犬病ワクチンが接種できる機関は、検疫所のホームページで確認できます」

Q.もし、渡航先で犬にかまれた場合、どのように対処すべきでしょうか。

増田さん「まず、せっけんと流水を使って傷口をしっかり洗います。そして、現地の医療機関にかかり、適切な初期対応を行うことが重要です。対応可能であれば、『暴露後ワクチン接種』をします。また、帰国した際にその旨を空港などの検疫所や保健所に報告し、日本国内の医療機関でしかるべき治療を受けましょう。

渡航先で処置がなされなかった場合は、速やかに保健所に相談し、医療機関で適切な処置を受けてください」

Q.犬以外に、狂犬病のリスクに注意すべき身近な動物はいますか。

増田さん「狂犬病の発生国では、犬以外に猫や野生動物が感染源となっています。また、地域によって異なりますが、アライグマ、スカンク、コウモリ、マングースなども感染源として注意が必要な動物と認識されています。基本的に、哺乳類の広い範囲が感染対象となっているため、いざ流行が発生してしまうと大きな脅威となってしまう可能性があります」

Q.日本国内で犬を飼う場合、飼い主に求められる意識・行動は何でしょうか。

増田さん「『過去24カ月間感染症例が確認されていない』『予防および管理のための規制措置を適正に実施』などの条件を満たした『狂犬病清浄国』は日本をはじめ、ほんのわずかです。日本人の場合、狂犬病になじみが薄いことから、その実態が分かりづらい面があります。

1950年に狂犬病予防法が施行されて以降、日本は清浄国に認定されましたが、ヒトや物流の行き来が激しい時代となり、ウイルスが侵入するリスクがないとはいえません。また、犬に予防接種を行う内容の法律ではありますが、本来の主旨は『ヒトの感染症対策』であり、防疫のために重要なものです。

万が一、日本国内に狂犬病が侵入してきた場合、流行を阻止するためには『70%以上の集団接種率が必要』というデータがあります。犬の飼い主さんは現行の法律にのっとり、必要とされる方法を講じることを心掛けてください」

(オトナンサー編集部)

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増田国充(ますだ・くにみつ)

獣医師

北里大学卒業。愛知、静岡県内で勤務後、2007年にますだ動物クリニックを開院。一般診療のほか、専門診療科として鍼灸や漢方をはじめとした東洋医療を行っている。国際中獣医学院日本校事務局長兼中国本校認定講師、中国伝統獣医学国際培訓研究センター客員研究員、日本ペット中医学研究会学術委員、AHIOアニマルハーブボール国際協会顧問、専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー非常勤講師。ますだ動物クリニック(http://www.masuda-ac.jp)。

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