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年収1500万円のケチ夫に愛人ができて別居、婚費をもらえず生活に窮する妻の苦悩(下)

出し渋りの背景に会社の接待費削減

 福岡出身の男性には亭主関白が多いのでしょうか。夫の金と酒への執着は今に始まったわけではなく、麗奈さんの妊娠中にさかのぼります。麗奈さんはつわりがひどく、予定より早く仕事を辞めて収入が途絶えてしまったのですが、当然、夫が養ってくれると思い込んでいました。しかし、夫は「お前は金のことしか言わんちゃ。それじゃ堕ろせばよかばい!」と暴言を吐き、生活費を出し渋ったので、麗奈さんは実家に金を無心せざるを得なかったのです。

 しかも、夫は出産当日に立ち会わないだけでなく、息子さんの顔を見に来たのは3日後。息が酒臭かったのでひんしゅくを買い、麗奈さんは思わず「早く出て行って!」と夫を追い出してしまったそう。

 夫は事あるごとにお金を出し渋ったのですが、なぜ、お金に困っているのでしょうか。夫の手取り額は毎月55万円ほど。一方、同居していた当時の毎月の支出は、住宅ローンが14万円、固定資産税が5000円、光熱費が10万円、携帯代が2万円、小学校の費用が8000円、学資保険の保険料が1万円、それ以外の保険が2万円、現金で渡される生活費は15万円で、残り11万円は夫の小遣い。常識的な金銭感覚の持ち主ならば、毎月11万円も自由に使えれば大丈夫そうですが、夫はただケチなだけなのでしょうか。

 諸悪の原因は会社の経費でした。夫は営業職で、毎月8万円までの飲食代は「接待費」として計上することが認められており、夫が使った分は会社で清算し、手元に戻ってくるという仕組みでした。夫は、毎日のように接待名目で外飲みを繰り返していたのですが、昨今の不景気のあおりを受けて毎年のように接待費を削られ、現在は3万円に減らされてしまったのです。夫が身の程をわきまえ、飲食代を接待費の範囲に収めれば、何の問題もありません。しかし、一度甘い汁を吸ってしまうと味を忘れられないのが人間の性。

 外飲みの回数を減らさず、相変わらず飲み歩いていたのですが、飲食代は8万円なのに接待費は3万円なので5万円が不足します。そして、夫は不足分を補うべくカードローンに手をつけたのです。

 夫は「こげん接待費が減ったままじゃなか!」と甘く見ていたのですが、元に戻るどころか減らされる一方なので、カードローンの残高はどんどん膨らんでいき、極度額に到達。仕方なく5万円を返済しましたが、その分、極度額に余裕が出るので、また5万円を借りるという繰り返しで、極度額は高止まりしたまま利息ばかりが増えるという自転車操業。最終的に残高は200万円に達したのです。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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