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年収1500万円のケチ夫に愛人ができて別居、婚費をもらえず生活に窮する妻の苦悩(下)

別居している夫婦のうち、収入の多い方が少ない方に渡す「婚費」。夫が妻に渡すケースがほとんどですが中には、「夫が婚費を払ってくれない」と悩む女性もいるようです。

夫が婚費を払わずに悩む女性も多い…
夫が婚費を払わずに悩む女性も多い…

 別居している夫婦のうち、収入の多い方が少ない方に渡す「婚費」。多くの夫婦では、夫が妻に払っていますが、中には、「夫が婚費を払ってくれない」と悩む女性もいます。後編の今回、紹介するのは、“酒乱夫”と危険を感じて実家に戻った妻のケースです。

酒が入ると妻に手を上げる夫

 次に紹介するのは、福岡在住の夫に頭を痛める鈴木麗奈さん(32歳、仮名)。

「長年の心ない言葉や行動から眠れない日が続いて、通院し、薬を飲んでいます。原因は主人のお酒です。飲んで帰ってきた日はもう大変。少しでも気に入らないことがあったら…」

 麗奈さんは涙ながらに声を枯らしますが、夫の酒乱は今に始まったことではありません。料金を払わずにタクシーを降りたので、運転手が自宅まで追いかけてきたのは序の口で、足を踏み外して駅のホームに転落し、複雑粉砕骨折の重傷を負ったり、夜中に全裸で自転車に乗って警察に通報されたりと、お酒の“武勇伝”に事欠かない人物。

「全部、お前らのせいっちゃ! 分かっちょるよな!!」

 ベロンベロンで帰宅した夫は、麗奈さんと娘さん(6歳)を怒鳴りつけると、テーブルの上に並んだ料理を皿ごと投げ捨てるだけでなく、麗奈さんに向かってグラスを投げつけ、キッチンカウンターに置かれた台所用品をはたき落としたそう。麗奈さんは恐怖の余り、娘さんを連れて寝室に逃げ込み、鍵をかけたのですが、夫は暴れるだけ暴れてリビングのソファーで寝入ってしまうので、麗奈さんと娘さんは寝室でおびえて待つしかなかったのです。

 しかし、夫が麗奈さんに手を上げてけがをさせたのは、今回が初めてではなく4回目。さすがに、今回は震える手でスマホを操作し、夫の罵声を録音しておいたそう。そして、破壊された家財や家電、家具などを写真に撮るなど「何かのとき」のために手を打てたのは不幸中の幸いでした。

「このままじゃ殺されると思って、家を出てきました!!」

 今回ばかりは麗奈さんも警察に相談したところ、刑事の勧めもあって実家に戻ってきたそうです。そして、実家近くのスーパーでレジ打ちの仕事を始めたのですが、毎月の収入は7万~8万円ほど。このまま、両親におんぶに抱っこでいるわけにはいかないので、恐る恐る夫にLINEをし、生活費の援助を頼んだのですが…待てど暮らせど「既読」にならず、麗奈さんは途方に暮れてしまったのです。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html

法テラス
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