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園児死亡事故で批判も…マスコミの「被害者取材」はなぜ必要なのか 世間との乖離は埋まる?

マスコミと世間、双方に求められることは?

Q.マスコミは、少なくとも賛否両論が出る事件・事故に関して、取材意図やプロセスを世間に説明し、役割を理解してもらう姿勢を持つことは難しいのでしょうか。

山口さん「取材の過程の一部だけを切り取ると、『被害者に対して無礼だ』『被害者をさらに追い込んでいる』との印象を与えうる記者の言動があると思います。被害者が実際にそのように感じる場合もあると思います。

しかし、これは全ての被害者取材に当てはまるとは思えません。被害者に取材し、その内容が世間の大きな共感を呼ぶこともあります。その場合は記事自体が、なぜ被害者取材を行うのかを明確に物語っていると思います。

水俣病の被害者救済の決着には、被害者の取材映像が大きな役割を果たしたと思います。池袋の暴走事件では、被害者遺族の記者会見での切実な訴えが視聴者の共感を呼び、高齢者の運転免許返納の動きを加速していると思います。

一方、神奈川県座間市で起きた2017年の連続殺人事件では、被害者の実名発表や写真の掲載が被害者の家族や社会の一部から強く批判されました。事件・事故の内容や社会に与えるインパクトは一つ一つ大きく異なります。マスコミは時代が求める被害者報道のよりよい形を模索し、試行錯誤を繰り返しているのだと思います」

Q.こうした乖離をなくすため、マスコミが変わらなければいけないこと、世間が変わらなければいけないことを教えてください。

山口さん「記者会見の一部始終が視聴される時代になったことをしっかりと認識し、マスコミは被害者取材において、これまで以上に共感力を高めた言動をする必要があります。一方で世間は、取材の過程の一部を取り上げて、『被害者に無礼だ』などと騒ぎ立てることは控え、被害者の気持ちや発言をどのように報道しているかについてより強い注意を払う習慣を身に付けるようにすべきだと思います」

Q.被害者取材について、新聞・テレビ・雑誌・ネット、それぞれの違いや特徴があれば教えてください。

山口さん「テレビは、被害者からサウンドバイト(インパクトある短い発言)を得ようと努力します。新聞や雑誌などの印刷媒体では、最終的にモノを言うのは執筆者(記者)の筆力なので、被害者の発言の真意や背景も広く手に入れようと努力します。

一方、ネットメディアは、動画が中心だったり、文章だったり、長さに制限をかけたり、かけなかったりで、ひと言で被害者取材の特徴を言い表すのは難しいです。内容は、テレビや新聞報道の転載であるネットメディアも多いです。誰でも投稿できるSNSもネットメディアの一部と考える人もおり、被害者取材に関わる投稿においても、善し悪しは別として、炎上発生メカニズムの中心をなすメディアであるといえます」

(オトナンサー編集部)

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山口明雄(やまぐち・あきお)

広報コンサルタント

東京外国語大学を卒業後、NHKに入局。日本マクドネル・ダグラスで広報・宣伝マネージャーを務め、ヒル・アンド・ノウルトン・ジャパンで日本支社長、オズマピーアールで取締役副社長を務める。現在はアクセスイーストで国内外の企業に広報サービスを提供している。専門は、企業の不祥事・事故・事件の対応と、発生に伴う謝罪会見などのメディア対応、企業PR記者会見など。アクセスイースト(http://www.accesseast.jp/)。

コメント

2件のコメント

  1. みんなの問題だね、みたいに丸め込もうとしてんだか…
    そもそもマスゴミ自体がオワコンなんだから謹んで動けば誰も文句言わない、報道してやってんだみたいな上からの態度と知る権利だとか言いながら他人のプライバシー踏みにじるから嫌われるんだよ、他人の人生食い物にしてる言わば寄生虫なんだから少しは周りに迷惑をかけているんだと自覚しろ

  2. マスゴミという犯罪者たちが悪い。それこそが全て。