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妻と不倫相手の子を“自分の子”として育てることにした、36歳男性の決断(下)

いつ爆発するか分からない“時限爆弾”

 しかし、子どもにとって健さんの決断が正解だったかどうか、現時点では何とも言えません。健さんと子どもは遺伝子が異なるので、血液型や顔形、性格や学力、運動神経などの特徴は異なるでしょう。健さんは子どもとの違いを感じ、「僕の子じゃないんだから」と心の底で思っても口に出すことは、はばかられます。秘密を胸に秘め、墓場まで持っていくのは相当な苦痛が伴います。

 一方、子どもも父親との違いに気付き、「なぜなのか」を自問自答しても答えにたどり着けず、悩みに悩み続けるでしょう。そして、大沢零次氏のように何らかのきっかけで、「親子ではない」ことが判明した場合、健さんが自分をだましていたと感じ、うそをつき続けてきたことを恨み、そして本当の父親が誰なのかを探し始めるはずです。

 つまり、健さんがよかれと思って下した決断は「出自の秘密」を知られた時点で逆効果…子どもにとって手かせ足かせとなり、人生をより複雑化させ、暗い影を落とすことになる可能性もあるのです。いつ爆発するか分からない「時限爆弾」を持っているようなもの。健さんと子どもが「血がつながっていないこと」を乗り越えることができるかどうかは、まだ先の話ですが、「育ての親と実の親の相違」は母親だけでなく家族全員を苦しめるのです。大人のわがままで子どもが犠牲になる悲劇が起こらないことを切に願います。

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html

法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

コメント

2件のコメント

  1. いい加減目を醒ませ。私からするととんでもない女だ。まだ36歳。あなたを求める心優しい女は、必ずいる。そんなもんとこの先一緒にいたって幸せには、なれない。本当にあなたを思ってくれる女性と新たな人生を歩んで下さい。

  2. この話は作り話っぽいですが…
    いまどきの主婦は皆んな、彼氏や遊び相手位いますよ。
    より良い遺伝子が欲しいと思うのは本能なんだから仕方ないでしょ?

    夫側が愛情を持って入れば、DNAなんか関係あるんですかね。
    最近は男尊女卑の男性が増えてきてしまってる感じですね。
    主婦だって女性ですよ?自由恋愛の権利くらい有りますから!