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日本人の3人に1人「痔」…「トイレでスマホ」が原因? 症状悪化すると日常生活に支障も【専門医解説】

トイレでのスマホの操作が痔を招く理由や、痔の予防に必要な対策などについて、外科医に聞きました。

「トイレでスマホ」が痔を招く?(画像はイメージ)
「トイレでスマホ」が痔を招く?(画像はイメージ)

 日本人の3人に1人が「痔」にかかっているといわれています。痔の場合、排便時に出血したり、違和感を覚えたりすることがあるとされていますが、なぜ発症するのでしょうか。また、痔は自然に治る病気なのでしょうか。トイレでのスマホの操作が痔を招く理由や、痔の予防に必要な対策について、広島DS内視鏡・日帰り手術クリニック院長で外科医の藤解邦生さんに聞きました。

トイレで長時間座ると痔の原因に

Q.そもそも「痔」の種類について、教えてください。また、「痔」になると、主にどのような症状が出やすいのでしょうか。

藤解さん「痔は『いぼ痔(痔核)』『切れ痔(裂肛)』『あな痔(痔ろう)』の3つに大別されます。それぞれの特徴は次の通りです」

■いぼ痔(痔核)の症状
・排便時に血が出る
・便が出きっていない気がする(残便感がある)
・肛門に違和感がある
・肛門の周りにイボがある
・排便時に脱出する感じがする

■切れ痔(裂肛)の症状
・排便時に痛みがある
・排便後に痛みが残る
・お尻を拭いた紙に血がつく
・便に鮮血がつく
・便が細くなる

■あな痔(痔ろう)の症状
・肛門の周囲が腫れてズキズキとした痛みがある
・お尻から、膿(うみ)が出ている
・発熱(38~39度)がある

Q.痔を発症する原因について、教えてください。座る時間が長い人ほど痔になりやすいといわれていますが、本当なのでしょうか。

藤解さん「いわゆる座り仕事と痔のなりやすさの因果関係は明らかにされていません。一方で、トイレの便座に長時間座ることは、痔の症状の悪化に強く関係しています。トイレでの長時間座位や頻繁にいきむことで静脈うっ滞をもたらし、痔の症状を悪化させることが指摘されています。例えば、トイレでのスマホの使用により滞在時間が延長することも、発症リスクを高めるため注意が必要です」

Q.痔は自然に治るものなのでしょうか。それとも、放置するとどんどん悪化するのでしょうか。

藤解さん「一時的に腫れたいぼ痔や、少し切れた程度であれば自然に治ります。いぼ痔には自然に治るものもあれば、自然には治らないタイプもあります。いぼ痔の脱出を繰り返す状態になると、肛門周辺の血管に血液が停滞して腫れ上がる『静脈うっ滞』が起こりやすくなり、急に腫れてしまうことがあります。

このような人が、ある日、急に腫れて強い痛みを伴い、いぼ痔が戻らなくなることがあります。このような戻らないいぼ痔を『嵌頓痔核(かんとんじかく)』といい、血流障害を伴う深刻な症状に陥っている可能性があります。

多くの場合、脱出を繰り返すいぼ痔がある人は、自然治癒することはほとんどありません。一方で、普段から痔の脱出を感じたことがない人が突然腫れと痛みを感じた場合、血栓性外痔核など一時的な腫れのことが多く、入浴時に湯船につかって温めることで自然に治る可能性があります。

『痔ろう』は、元々感染が原因のため、肛門周辺に膿がたまる『肛門周囲膿瘍』が形成されます。感染が自然に治癒することはほとんどありませんが、自然に腫れが自壊して膿が排出されると、痛みと腫れが軽減します。一見すると、治癒したように思えますが、実は膿のトンネル(痔ろう)がくすぶっているだけなので、治癒しているわけではありません。再度、肛門周囲膿瘍を形成する可能性があります。

切れ痔は、少し切れた程度であれば自然に治癒することが多いです。しかし、切れ痔を繰り返すと、瘢痕(はんこん)ができ、肛門上皮が硬くなるため、肛門が開きにくくなり、排便時に切れやすくなります。

悪循環を重ねていくと、瘢痕も広範囲となり、肛門が狭くなるため、細い便しか出せなくなり排便障害をもたらします」

Q.もし痔のような症状が出た場合、どのように対処すればよいのでしょうか。受診する暇がない場合、まずは痔の市販薬を使っても問題はないのでしょうか。

藤解さん「まず肛門のトラブルは、入浴時に湯船につかって温まることで症状が改善するものがほとんどです。反対に冷えは禁物です。受診する暇がない場合は、市販薬を使用しても問題ありません。ただ、肛門が腫れて膿が出たり、発熱を伴ったりする場合は、自然に治まることが少ないため、早めに肛門科を受診するのをお勧めします」

(オトナンサー編集部)

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藤解邦生(とうげ・くにお)

広島DS 内視鏡・日帰り手術クリニック院長、日本外科学会専門医

福岡大学医学部を卒業後、広島大学第一外科入局。関連病院で消化器がんの手術を主に担当。国内屈指の内視鏡検査・肛門手術実績を有する大腸肛門専門病院で勤務。日帰り手術についても実践を重ねた。現職では、不安を抱える内視鏡・手術患者に対し、「真心と医心」でサポートするチーム医療を実践。不安と真逆の感動体験の提供を理念としている。広島DS 内視鏡・日帰り手術クリニック(https://www.touge-geka.jp/)。

日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本脈管学会専門医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医
日本抗加齢医学会専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本臨床肛門病学会 臨床肛門病技能認定医・指導医
下肢静脈瘤 血管内レーザー焼灼術実施医・指導医

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