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“型”以前のビジネスマナーとは? マナーコンサルタント・西出ひろ子氏が新刊に込めた思い

マナーコンサルタント・西出ひろ子さんの新刊「要点をギュッ!はじめてのビジネスマナー図鑑」が発売されました。

「要点をギュッ!はじめてのビジネスマナー図鑑」(池田書店)
「要点をギュッ!はじめてのビジネスマナー図鑑」(池田書店)

 新年度を控え、新社会人に向けたビジネスマナー関連の本が書店に多く並ぶ時期です。この分野で異例の28万部というベストセラーを記録するなど、国内外で85冊以上ものマナー本を手掛けるマナーコンサルタント・西出ひろ子さんの新刊「要点をギュッ!はじめてのビジネスマナー図鑑」(池田書店)が、2月14日に発売されました。ビジネスシーンでの信頼につながる基本マナーだけでなく、社会人としての意識の持ち方や心構えなども学べる、入門にもおさらいにも役立つ一冊です。

 国内外の企業の人材育成や、NHK大河ドラマなどのドラマや映画、テレビ番組などでのマナー指導でも知られる西出さんに、新刊に込めた思いを聞きました。

心構えや意識の持ち方から解説

Q.今回、新たに新入社員向けのビジネスマナー本を出版されたのはなぜでしょうか。

西出さん「これまで、多くのビジネスマナー本を書かせていただきましたが、働き方改革などの影響もあり、日本におけるビジネスマナー教育指導の内容や、在り方そのものに変化が起きています。そこで、改元という大きな変化を目前に控えた今、読者の皆さんが現場で使える最新のビジネスマナー本を書こうと思いました」

Q.「現場で使えるビジネスマナー本」とは、どのようなものですか。

西出さん「ビジネスマナーと聞くと『○○の時には△△する』という、ある種の“決まりごと”と捉え、『その型をとりあえず身につけておけば大丈夫』と思いがちです。

しかし、本に書かれた通りの服装や髪形、お辞儀や言葉遣いをしても、実際の現場で、お客さまや上司、先輩、取引先に評価されない人もいます。また、電話応対など、職場によって異なるマナーもあります。

ビジネスマナー本の多くは“型”を重視したものですが、今回は読者の方が現場で使い、評価される“人財”になるために、『型以前の最も大切な部分』を割愛することなく紹介しています」

Q.「型以前の最も大切な部分」とは。

西出さん「心構えや意識の持ち方です。この部分をしっかりと理解し、日々意識をしていれば、周囲の人たちから受け入れられ、仕事ができる社会人を目指せるでしょう。

私のクライアントの社員の人たちや弊社のスタッフの中で、入社当時は身だしなみも言葉遣いも不十分だった人が、マナーの“心”の部分を重視し、日々意識を持って仕事に取り組んだ結果、社長へと抜擢(ばってき)されたり、世界で活躍する俳優・スポーツ選手にマナー指導をする“人財”として成長したりしています。現場で活躍できる人になるためには、『心、言葉、行動』からなる心構えを、ビジネスマナーの基礎として身につけておく必要があります」

Q.とはいえ、やはり基本的なビジネスマナーも知りたいものです。

西出さん「もちろん、名刺交換やあいさつの仕方、服装といったビジネスマナーの基本も、さまざまなシチュエーションや職種、業界別に分け、イラストと図解入りで分かりやすく紹介しています。また、各章ごとの巻末には、章で学んだことの理解度を確認できる問題もあります。私自身、自分で作成した問題ではありますが、チャレンジした後はドキドキしながら解答を見ました(笑)」

Q.他のマナー本にはない、同書ならではの特徴はありますか。

西出さん「最近は、会社の電話が鳴っても怖くて出ないなど、電話応対に対する苦手意識が強い新入社員が増えています。また、新入社員研修で電話応対のシミュレーションを行うと、必要事項をすべて盛り込んだ電話伝言メモを最初から書ける人は、全体のわずか1%という現実があります。本書では、読者の皆さまの応援隊として、切り取ったりコピーをしたりして使える『電話伝言メモ』などのページも設けています」

Q.新刊をどのような人に読んでほしいですか。

西出さん「今春から社会人1年生となる皆さんはもとより、入社2~3年目を迎える若手や、リーダー、管理職など社内での人材育成を行う立場の人たちにも読んでいただき、社内でのマナー指導に役立てていただきたいと思っています。版元をはじめ、関係各所の皆さまにも多大なるご協力を頂き、チーム一丸となって誕生した本です。多くの人たちに届くよう願っています」

(オトナンサー編集部)

西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと2000年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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