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「残さず食べよう」の指導は“虐待”か? 偏食+食物アレルギーの《自閉症児》を育てた識者の実体験

偏食の子が初めて出会う食べ物

 昔、私が喫茶店でバイトをしていたときのこと。毎日、夕方4時に来て「クリームソーダお願いします。クリームを抜いて」と注文するおじさんがいました。「ソーダ水でよろしいですか?」と聞くと、「クリームソーダでクリーム抜いて」と言います。だから、一度クリームソーダを作り、クリームを取り除いて出していました。

 先日お預かりした自閉症の子も、白いご飯しか食べられません。でも、すし店では「かっぱ巻きを注文する」と言うのです。よく聞くと、かっぱ巻きを注文して“キュウリを抜いてから”食べるらしいのです。「なんだか、あのときのおじさんと似てるなあ」と思いました。味というより、味が少し残っていてもその方法で食べたい、というこだわりなのですね。

「カレーライスは好きだけれど、出されるときはご飯とカレーが別になっていないとダメ」という子もいます。自分で、別の皿からご飯にかけて食べたいのです。これが自分流なのか、わがままなのか、こだわりなのかは分かりませんが……。

 そして、初めて食べさせるものは「おいしいもの」がいいです。私の息子の場合、初めてのコーヒーは苦く濃いのを飲ませたら以降は断固拒否、硬い牛肉を食べさせたら牛肉が嫌いに。そして強炭酸水を飲ませたら、ビールを含む炭酸水を拒否するようになりました。

 私は息子の偏食を直そうとは思っていませんでしたが、初めて口にさせるものはおいしいもの(薄いコーヒー、やわらかい霜降り、微炭酸)を選べばよかった、と猛省しています。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

【画像】「えっ…?そうだったの……?」 これが「発達障害児」にみられることのある行動です(5つ)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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コメント

1件のコメント

  1. ビジネスの場でもお残ししまくりのビジュアル的にも汚いもの相手に見せつけてくる大人になるよりは
    「残さず食べよう」を少しでも実践できる方がいいなあと思いましたまる
    発達障害あっても指導されて食れる子がいっぱいいるわけで
    ソースとかクリームついたべちゃべちゃの食べたくないものだけ残して皿の上にデロデロに置いておくのハラスメントだろって思ってる